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ゆうちょ銀、高齢者へ投資商品を不適切販売 健康状態や理解度を確認せず
ゆうちょ銀行は14日、高齢者への投資信託の販売において不適切な手続きが多数あったことを明らかにした。適切なタイミングで健康状態の確認がされなかった等のケースがあったという。低金利によりかつてのように国債の運用では収益を上げられない中、完全民営化へ向け手数料ビジネスへのシフトを図る中での事案であり、同日には口座番号を含む約5,000件の顧客情報紛失も発表。同行のガバナンスへ厳しい目が寄せられる。
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不適切な手続きの発覚は、昨年秋以降に行われた社内調査によるもの。全国約230ある拠点の約9割で問題が見つかっており、件数ベースでは1万5千件以上になるとのこと。経験不足でノウハウが蓄積されない中、ビジネスモデルの転換を急いだ状況が浮き彫りとなった。
具体的には、投資信託を勧誘するタイミングで確認すべき、健康状態や金融商品への理解度などを、購入手続きのタイミングまで行っていなかった等の問題があった。一般的に、金融機関は収益の上がる投資信託を高齢者へ販売したいと考える。一方若年層と比べ、高齢者は資産を持つもののリスク許容度が低いため、元本割れリスクのある投資商品は慎重に取り扱う必要がある。そのため日本証券業協会では、高齢者への勧誘・販売に関するガイドラインを策定しており、今回の件はこのガイドラインを逸脱した可能性もある。
ゆうちょ銀行は、上場こそしているものの、親会社は国が過半の株式を保有する日本郵便。「安心」のブランドで全国から集めた預貯金を国債で運用するかつてのビジネスモデルでは、完全民営化に向けた収益性向上の実現が難しい。収益の取れる投資信託の販売にシフトしつつある中、会社の目指すスピードに対し行員の経験やノウハウが追いついていない現状が明確となった。
また同じく14日、名前や住所のほか口座番号などの顧客情報約5,000件を紛失したことも発表した。「振替払出書」や「振替払出証書」 を誤って破棄したという。溶解処理をしており外部への漏洩の可能性は極めて低いとしている。(記事:dailyst・記事一覧を見る)
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