ソフトバンク、基地局網と衛星みちびき使い誤差数センチの測位サービス提供へ

2019年6月3日 21:51

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ソフトバンクRTK測位サービスのイメージ(ソフトバンク発表資料より)

ソフトバンクRTK測位サービスのイメージ(ソフトバンク発表資料より)[写真拡大]

 ソフトバンクは3日、基地局網と準天頂衛星「みちびき」からの測位情報GNSSを活用した、誤差数センチメートルのRTK測位サービスを、11月末から法人向けに全国展開すると発表した。

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 測位には、みちびき等からの測位情報と、地上の基準点網からの測位補正情報を利用するRTK測位法を採用したことで、誤差数センチの高精度測位を実現した。基準点は、ソフトバンクの携帯基地局を活用して全国3,300カ所以上に設置されるため、ソフトバンクの携帯電話が使える地域では、広く誤差数センチメートルの測位を提供できる。また高密度に基準点を配備することで、測位対象が基準点をまたぐ長距離移動時にも継続した高精度測位を提供できるという。

 補正情報の生成と測位先のGNSS受信機への配信は、本サービス提供のためにソフトバンクとイネーブラーが共同設立したALSが行う。

 RTK側位用のGNSS受信機は高価で、拡大が制限されていた。そこでソフトバンクでは、安価に入手できる専用のGNSS受信機を独自開発し、より多くの企業が高精度測位サービスを受けられるようにするという。

 ソフトバンクでは、商用提供開始に先立ち、7月よりヤンマーアグリ、鹿島建設、SBドライブと連携した実証試験を行う。ヤンマーアグリとは農機の自動運転および運転アシストへの高精度測位の適用を、鹿島建設とはドローンの自動制御を用いた建設現場管理への適用を、SBドライブとはバスなどの自動運転および運転アシストへの適用を評価する。

 また将来は、インフラ監視用センサーやウエアラブルデバイスなどでも高精度測位サービスを利用できるよう、クラウド上でRTK測位を行うことで、GNSS受信機を不要とするサービスも開発していくという。

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