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子どもとスマホ、破損トラブルの責任や災害時のメリット
小・中学性にスマートフォンを持たせる保護者も増えている。学校としては校内への持ち込み禁止としている場合がほとんどである。校内でのトラブルやいじめなどの可能性もあるが、登下校時に災害にあってしまった場合に保護者と連絡を取れるなどのメリットもある。[写真拡大]
スマートフォンの普及が拡大しているなかで、小学生や中学生にスマートフォンを持たせる保護者も増えている。保護者や友人とのコミュニケーションツールとしてだけでなく、緊急の場合の連絡にも便利なためだ。携帯電話キャリアの大手3社だけでなく、格安スマホサービスでもスマートフォンの基本料金や通信費などに学割を設けている。
しかしここで問題になるのは、小・中学生が学校にスマートフォンを持ち込むことの是非である。文部科学省としては「小中学校は持ち込みを原則禁止」「高校は校内での使用を禁止」と指針を出している。2019年2月には「原則禁止」を見直すと表明しているが、小中学校は学校側で校内での持ち込みを禁止としている場合がほとんどであり、高校は持ち込みは認めるが授業中の使用を禁止にする場合が多い。
禁止とする背景には、学校では学業に集中するためというだけでなく、トラブルを回避する目的がある。破損や紛失などのトラブルや、校内でのスマートフォンをめぐるけんかやいじめが起こる可能性がある。学割が適用されるとはいえスマートフォン端末は高額であり、校内のトラブルにより壊したり失くしたりしても学校側で責任は取れない。持ち物をなくすのは本人の問題であり、級友などの過失により破損されるようなことがあれば子どもではなく保護者を含む問題になる。また、スマートフォンを持っていないことで仲間はずれになるなどのトラブルだけでなく、LINEなどのコミュニケーションアプリ内でのいじめなども実際に起きている。
とはいえ、スマートフォンの利便性にも着目したい。登下校などで保護者からも学校からも離れている状態で災害が起これば、子どもが自分の判断で行動する必要がある。そういった場合には、通話やメッセージなどで保護者と連絡が取れる可能性があるだけでなく、スマートフォンで検索などを行うことで現状の把握と対策を考えるための材料になるだろう。子どもにスマートフォンを持たせることはデメリットだけでなく防災対策としてのメリットもある。
子どもにとってのスマートフォンはメリットもデメリットも多くある。すべては使い方次第である。普及している以上、コミュニケーションツールとしての利用することのルールやモラル、防災時の利用法などを家庭や学校で正しく教えることが求められる。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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