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おバカなアサガオは害虫に無頓着? 京大の研究
賢いつる草はハダニの危険を察知するが、おバカなアサガオは無頓着(イメージ図:京都大学の発表資料より)[写真拡大]
賢いつる草は害虫を避けるが、アサガオは害虫に無頓着-。京都大学は8日、農学研究科の矢野修一助教らが、ヤブガラシという雑草が他の植物に巻き付くとき、ハダニのついた植物を避けることを世界で初めて発見したと発表した。これは、ハダニの害を防ぐのが目的とみられ、比較に用いたアサガオはハダニがいても巻き付いたという。この研究成果は、4月29日に国際学術誌「サイエンティフィック リポーツ」にオンライン掲載された。
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矢野助教らによると、アサガオのつるとヤブガラシのつるがハダニがついた植物を避けるかどうかを調べるため、つるが伸びる方向にハダニがついた植物の株とハダニのついていない株を置いて、つるが巻き付く割合を調べた。
するとアサガオは、どちらの株にも巻き付いたが、ヤブガラシのつるはハダニがいる株に触れると、つるが激しく揺れて縮れ、巻き付かずに離れたという。そしてしばらくすると、つるは元の形に戻った。
ハダニは葉や花から汁を吸う害虫で、ヤブガラシはハダニの侵入を防ぐため、巻き付く植物を選ぶとみられる。一方、巻き付いたアサガオは、つるを伝ってハダニが侵入し、ハダニまみれになってしまった。
またヤブガラシが、どのようにしてハダニがいるかどうかを判別しているのかを調べたところ、ハダニが葉や茎などの表面に張る網を感知していることも分かった。同じ網でも、害虫を捕食するクモの網は避けなかったという。
ヤブガラシは人里に繁茂する身近な雑草だが、つるを巻き付けるとき、相手の植物がヤブガラシかどうかを識別し、仲間同士であれば手心を加えて共倒れを防ぐことが分かっている。矢野助教らは「それほど賢い植物なら、ハダニの侵入という危機も感知できるのではないか」と考え実験を始めたという。
矢野助教らは「ヤブガラシに限らず、野生のつる草は同様の賢さを持っているのではないか。アサガオは品種改良によって何にでも巻き付くようになったのかもしれない」と予想し、「将来、アサガオなどの『賢くない』栽培用植物だけが巻き付くフェンス素材を開発できるかもしれない」としている。
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