成田に向かうアリタリア航空機で乗務員3人負傷 原因は乱気流か

2019年5月4日 16:41

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 2日午前10時頃、イタリアのローマから成田空港に向かっていたアリタリア航空784便で、着陸態勢に入った後に大きな揺れが発生し、乗務員3人が怪我をした。1人が病院に運ばれたもののいずれも軽傷といい、また、乗客はシートベルトを着用しており全員無事だった。当時、関東地方では雷注意報が広範囲で出ており、原因は乱気流に巻き込まれたものとみて国土交通省が調べている。

 乱気流とは、「空気中に渦が生じて乱れ、不規則になった気流のこと」(出典:ウィキペディア)。積乱雲や台風の周りで発生することが多いが、雲のない晴天状態で発生する「晴天乱気流」もある。

 晴天乱気流によって生じる「下降気流」は「エアポケット」と呼ばれるが、飛行機にとっては危険な存在となっている。これに巻き込まれると、機体が突然持ち上げられその後急降下し、その降下は一気に数百メートルにも及ぶ。そのためシートベルトを締めていなければ、頭が天井にぶつかるくらいの衝撃がある。

 この晴天乱気流による航空機事故は過去に何度も起きている。1966年には富士山上空で英国航空機が空中分解して124人が死亡する事故があった。1997年には北太平洋上空で死者1名と160人が重軽傷を負った事故も発生している。

 パイロットや乗務員は乱気流には慣れており不安を感じることはないだろうが、乗客にしてみれば、たとえ飛行機に乗り慣れていたとしても気持ちの良いものではない。飛行機に乗る以上はこの乱気流は付きものであり、またいつ遭遇するか分からない。

 乱気流から身を守る方法はたった1つ、着席中は必ずシートベルトを着用することだ。飛行機の機体はかなり過酷な状態にも耐ええられるよう設計されているため、シートベルトさえ着用していれば、ほとんどの場合は命の危険はないといえる。(記事:kan1713・記事一覧を見る

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