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ネコは自分の名前を聞き分けられる 上智大の研究
ネコは人間の発する自分の名前とそれ以外の単語を聞き分けられるらしい。上智大学総合人間科学部心理学科の齋藤慈子准教授らの研究チームが実験的に証明し、発表を行った。
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ネコ、正確にはイエネコが人間に飼われるようになったのは1万年ほど昔のことだといわれている。イエネコの原種は北アフリカ、エジプトに近いところに暮らすリビアヤマネコという種であった(余談であるがリビアヤマネコは今でも同地に存在し、遺伝的にも生態もイエネコそっくりである)。高いコミュニケーション能力を持っているらしいことは広く知られているが、具体的な研究はイヌと比べるとあまり進んでいなかった。
今回の実験は以下のようなものである。自分の名前と、同じ長さ・アクセントを持つ一般名詞を被験ネコに聞かせる。ネコは次第に音声刺激に慣れ、反応しなくなるが、慣れてくることによって馴化が生じていたものが、もう一度名前を聞かせるとネコは比較的大きな反応を見せるようになった。
これによりネコが自分の名前とそれ以外の単語を弁別できる可能性が示唆されるわけだが、実験はさらに続く。今度は飼い主ではなく、赤の他人に同じ実験を行わせた。すると赤の他人であっても、やはりネコは自分の名前に反応したという。もしも名前の音声刺激そのものではなく、ヒトの発声に伴う意図しない何らかの手がかりをネコが読み取っているのだとすれば、このようなことは起こり得ないと考えられるため、やはりネコは自分の名前を音声として聞き取ることができると考えて良いようである。
なお余談であるが、イヌ、チンパンジー、イルカ、ヨウムはヒトの音声内容を区別する能力を持っていることが既に知られている。ここにネコの名前が新たに加えられたわけである。
研究の詳細は、サイエンティフィック・レポート誌のオンライン版に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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