Clear、24年熟成したプレミアム日本酒「現外」発売 1本15万円

2019年4月6日 08:26

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「現外 -gengai-」(Clear発表資料より)

「現外 -gengai-」(Clear発表資料より)[写真拡大]

  • 「SAKE100」(Clear発表資料より)

 Clear(東京都渋谷区)は、同社が展開するプレミアム日本酒ブランド「SAKE100(サケハンドレッド)」の第4弾となる「現外 -gengai-」を発売すると発表した。価格は1本15万円(税込・送料別)。5日より、「SAKE100」ECサイトにて数量限定で予約販売を開始した。現外は一般的な日本酒の製法とは大きく異なる、独自の工程で製造されたヴィンテージの日本酒だ。24年の熟成を経ることで、絶妙なバランスの味わいを持つに至ったと言う。

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 通常の日本酒は酒母に、水・蒸米・麹を加えることで醪造りを行う。しかし現外はある理由により、酒母をそのまま清酒にした日本酒だ。日本酒の製法からは大きく外れた、イレギュラーな日本酒と言える。これは阪神淡路大震災が原因で醸造設備が破壊されてしてしまったことに起因している。

 震災により倒壊した酒蔵で、酒母が入っているタンクが奇跡的に残ったものの、次の麹造りの工程に進むことができなかったのだ。酒母のままで搾られた現外は当初、甘味と酸味のバランスが不均衡だった。しかし24年の時間をかけて熟成を行った結果、甘味・酸味・苦味・旨味が複雑に絡み合い、プレミアムの名に恥じない高い調和を実現、予想だにしなかった絶妙な味わいに変化したという。

 現外を製造するにあたり、醸造パートナーとして協力しているのは、灘の老舗である沢の鶴(兵庫県神戸市)だ。日本酒スタートアップであるClearと協力し、日本酒に「特別な時間」をプラスすることでより良質なヴィンテージ日本酒に変化するという、新しい価値観を世に問う構えだ。

 現外は特殊なルーツを持つヴィンテージ日本酒となるため、一般的な日本酒のような増産はできず、2度と再現することもできないと言う。そのため数量限定の小ロット販売となる。5日より開始となる先行予約販売では限定数10本、本販売の開始は5月下旬頃の予定。酒好きなら一度は口にしたいと思わせる、プレミアムが詰まった1本と言えるだろう。

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