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「子宮頸がんワクチンに副作用ある」との主張を捏造とした記事、名誉棄損に
2016年、子宮頸がんワクチンには副作用があると主張していた信州大学(当時)の池田修一氏が、池田氏の研究結果を「ねつ造」と批判した記事の著者や記事の掲載誌「Wedge」を訴える裁判を起こしていたが(過去記事)、東京地裁が3月26日、この裁判について池田氏の主張を認め、Wedgeおよび記事の著者である村中璃子氏、編集長らに対し330万円の支払いや謝罪広告の掲載、ネット記事中の記述の一部削除を命じる判決を出した(弁護士ドットコムニュース)。
子宮頸がんワクチンの副作用問題については、現在では「子宮頸がんワクチンが障害の原因となり得る」という根拠はないという見解が広まっており、また研究手法が不適切として子宮頸がんワクチンに深刻な副作用があるとの論文が撤回される事件も起きている。
今回の裁判で池田氏は「意図的な不正はしていない」と主張、記事内で「捏造」と書かれたことは名誉棄損だと主張しており、それが認められた形になる。これに対し村中氏はnoteへの投稿で次のように述べている。
池田氏が「子宮頸がんワクチンを打っていないマウス1匹」の実験結果をもって、子宮頸がんワクチンに関するフェイクニュースを流布したという事実に関わらず、「N=1とは知らなかった」「捏造ではなく他の研究者の実験結果の引用」などとする原告の言い訳を受け入れ、公共性と科学を無視した判決が下されたことを残念に思います。
なお、問題となっている記事を執筆した村中璃子氏は、子宮頸がんワクチンの安全性を訴える活動などが評価され2017年に英科学誌Natureおよび慈善事業団体Sense about Scienceからジョン・マドックス賞を授与されている(過去記事)。
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