乃木坂46伊藤かりん卒業でわかった乃木坂の底力

2019年3月25日 17:07

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 乃木坂46の2期生、伊藤かりんが3月22日のブログで乃木坂からの卒業を発表した。

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 彼女は長年NHKの『将棋フォーカス』でMCをつとめ、アイドルに興味のなかった年配層や将棋ファンたちからも高く評価されており、番組やイベントで彼女と共演した棋士たちも、その卒業に感謝とねぎらいのTweetを贈っている。

 そんな彼女だが、実は選抜入りを1度も経験しないまま卒業していく、(活動初期に卒業したメンバーを除けば)唯一のメンバーでもある。

 歌唱力も高く、MCも達者、何より先輩から後輩まですべてのメンバーから頼られ、愛される存在。ファンからも「かりん有能」といういい意味でのレッテルを貼られており、年齢的にはおかしくないにせよ、乃木坂にはまだまだ必要不可欠の存在だっただけに、その衝撃は彼女のファン以外の、乃木坂ファンのほうが大きいかもしれない。

 ここで軽く彼女の歴史(?)を振り返ると、アイドルファンとして活動していた時期が長く、乃木坂の1期生オーディションにも応募。その際、クラスメートからの署名名簿を持参したという武勇伝を持つも、あえなく落選。

 ただ、その後デビューした乃木坂を見ていて、特に高山一実推しになり、握手会にも参加していたという。2期で合格したときには、同じ年長組の新内眞衣とともに若いメンバーのまとめ役的な存在でもあったが、将棋との出会いが彼女の運命を変えた。

 最初は選抜メンバーに来た将棋番組のオファーだったが、選抜に適役がいない中、果敢に立候補してレギュラーをゲット。おりからの将棋ブームもあって、その知名度はファンも知らないうちに急上昇。ついには単独でCMまでゲットしている。

 それでも世話好きで仲間想いな点は変わることなく、それどころか強くなり、乃木坂内のグループ、「さゆりんご軍団」と「すいか」を兼任しながら、3期生にも声をかけ、「乃木坂の肝っ玉かあさん」として、押しも押されもせぬ存在感を持つにいたっている。

 ただ不思議なぐらい、卒業後の彼女を心配する声は少ないというのも、かりんらしく、そして乃木坂らしいと言えなくもない。ここのところ、能條愛未、西野七瀬、衛藤美彩、若月佑美と卒業は多いが、乃木坂の場合、卒業生が卒業後すぐに自分の目指す分野で活動を始め、それがしっかり評価されているという好循環が続いているからだろう。

 選抜メンバーだけではなく、アンダーメンバーであっても、先日記事にした能條愛未が舞台で結果を残しまくってオファーがあとを絶たず、川村真洋が海外で女子グループとしてアジアツアーの真っ最中。川後陽菜もラジオレギュラーがきまり、伊藤万理華も映画『賭ケグルイ』で松村沙友里とともに出演している。

 伊藤かりんも、現在は未定としているが、芸能界には残りたいとブログに書かれており、これまでの人間的な評価から仕事がこないことはないだろうと思われている。

 結成から5~6年ぐらいまで、乃木坂はグループとして「乃木坂らしさとは何か」ということを考えさせられてきた。その頃には、明確な答えがでることはなく今も曖昧なままではあるが、卒業していくメンバーを見ると、「人に必要とされる」人間力を磨き上げる場所なのだと記者は感じている。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

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