おすすめできない副業(2) 「民泊ビジネス」

2019年3月20日 11:31

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 サラリーマンが自らスキルアップをしながら、新たな収入源を得られる手段として注目を浴びている副業ビジネス。まだまだ日本に根付いている文化ではないため、これから始めようとする人も多いだろう。そのような副業初心者の方のために、「これはおすすめできない!」という副業を紹介する本シリーズ。今回は「民泊ビジネス」を紹介したい。

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 そもそも民泊とは、「自分が所有している空き部屋・物件を旅行者などに貸す」ことをいう。大手民泊マッチングサイト「Airbnb」がネット上で評判となり、急激に利用者が増えている。しかしながら、新たに副業を始めようとする人には、この民泊はおすすめできない。

 その理由は2つある。まず1つ目は、多額の初期投資が必要だからである。普通のサラリーマンであればなかなか空き部屋・物件を持っていない。つまり民泊を始めるためには、そのための物件を手配するところから始まる。またその後も、他人から「泊まりたい!」と思ってもらえるような内装にするための費用もかかる。多くの人にとって導入のハードルが高い副業だといえよう。

 2つ目は、維持をするための金銭・時間の負担が大きいからである。たとえ民泊の運営が軌道に乗ったとしても、「部屋の清掃」「宿泊予定者とのやり取り」「宿泊者へのカギの受け渡し」「トラブル時の対応」など、行うべきことが多岐にわたる。

 副業として利益を出していくには、複数の物件を同時並行で管理する必要があり、そのためにある程度は、自らが出向いて作業を行わなければならない。本業のあるサラリーマンにとって時間的負担が非常に大きく、スケールを広げることが難しいうえ、宿泊者からのトラブル報告などを原則24時間で対応する必要もあるため、自由な時間が少なくなることも予想される。

 これらのように、「宿泊」という安全面や衛生面などセンシティブな内容を取り扱う以上、気を配らなければならない範囲が広いのが「民泊ビジネス」の特徴だ。効率的に運営できるノウハウやシステム、まとまった物件をすでに所有している人以外には、あまりおすすめできない副業であるといえる。(記事:後藤遼太・記事一覧を見る

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