スバル・新型フォレスター「e-BOXER」に乗ってみよう(1) 別世界の発進加速フィール

2019年3月4日 14:46

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スバル・新型フォレスター(画像: スバルの発表資料より)

スバル・新型フォレスター(画像: スバルの発表資料より)[写真拡大]

 スバルの新型フォレスターに搭載されている、「e-BOXER」はハイブリッドに違いはないのだが、モーターの出力は最小限だ。CVT、つまりミッションと一体になった構造になっている。パワーユニットは、最高出力107kW(145ps/6000rpm)/ 188Nm(19.2kgf・m) の2.0L水平対向直噴エンジンと、出力10kW(13.6ps)/ 65Nm(6.6kgf・m)(100V電源) のモーター/発電機の組み合わせだ。この数値で見ればよく分かるが、モーターの出力は大変少ない。ではスバルはどうして、このような構造としているのかだ。

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 「e-BOXER」程度の電動では、燃費性能向上は限られてくる。その狙いは低速域での乗りやすさ、低速、中速域での加速力を持つことにあるのだ。これらが向上すると、ラフロード走破能力が高くなるし、主要道路の流入時など加速性能が期待できる。しかしそれなら、ターボチャージャーを搭載すれば良いのでは?とも感じる。新型マツダ・X-5はターボジエンジンを追加してきていて、同じように低・中速域での加速感はかなり向上している。どう違うのだろう。

 「e-BOXER」のような小出力のモーターアシストは、発進時、低速からの加速時などで、モーターの低回転から最高トルクを発揮できる特性が生きてくる。ターボエンジンなどと違い、タイムラグを感じることはない。

 実際に、新型フォレスターの「e-BOXER」に試乗してみると、発進時は、アクセルに足をかけた瞬間、敏感すぎる感覚が出る。それは、エンジン回転が上がるのを待つ感覚が必要ないからだ。軽く触っただけで発進する感覚だ。これはアクセルのセッティングでどうにでも変えられるはずだが、エンジンが回転を始める前に、加速する感覚はモーターの特色であろう。プリウス、リーフなどは、むしろエンジン車と変わらぬアクセルフィーリングにしている。

 だが、日常市街地の使用でこのモーターアシストはありがたい。バッテリーの容量が少ないので信号グランプリで連続して使うと充電モードになってしまうが、平均的な使い方では十分であると思われる。ヨーロッパ車が装備し始めた48V電源は使用せず、通常のハイブリッド車と同じく高電圧(100V)を使っているようだ。

 スバルのCVTは反応が良いのだが、それでもタイムラグは感じる。モーターアシストは、この弱点も補ってくれる。発進からモーターアシストを受けている間は、エンジン車のフィーリングでは味わえない力強く感じるフィーリングは特別だ。プリウスなどとも違った味わいがある。また中速域での加速フィーリングも、スムーズさが違う。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: スバル・新型フォレスター「e-BOXER」を乗ってみよう(2) マツダ・GVC プラスとの闘いは?

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