母親との決別に多くの共感を呼ぶ!「トクサツガガガ」第6話レビュー

2019年3月1日 17:03

印刷

■叶と母親の思いが渦巻く第6話

 NHKの連続ドラマ「トクサツガガガ」第6話が、2月22日に放送された。6話まで叶は自分の趣味をただ隠しながら生活していたが、自分と同じような「好きなもの」を大事にする人たちと交流を深めてきた。しかし彼女がずっと避けてきた「母親」という存在に対しては、何も解決しておらず、ついに6話では互いの思いがぶつかりあうこととなった。

【こちらも】オタクが集まった休日は最強!「トクサツガガガ」第5話レビュー

■叶とお母ちゃんの確執は幼少期から続く

 仲村叶(小芝風花)は特撮オタク(特オタ)として生活するOLだが、実家にいるお母ちゃん(松下由樹)とは折り合いが付かず、年末年始であってもあまり帰りたい場所ではなかった。

 一方、いつもお世話になっているおもちゃ屋で店番をする任侠さん(竹内まなぶ)は、母親も美少女アニメの趣味に対して一定の理解を示していた。任侠さんは幼少の頃から引っ込み思案なところがあり、その悩みを趣味が解消していると母親は考えていたのだ。

 叶がお母ちゃんからの年末年始に関する催促を無視している中、彼女の兄である望(渡部郷太)は妻子を連れて実家に帰省していた。その中で、異常なほど望の面倒を見るお母ちゃんを見て、妻は少し過保護だと言い出す。

 お母ちゃんは離婚したことが原因で、子供である自分たちに夢を見ていると望は語り始める。叶に対してはその気持ちが異常に大きくなってしまい、そのため叶が好きだった特撮雑誌を燃やしてまで引き離そうとした過去もあることが告げられる。

■叶、お母ちゃんを罵倒して決別宣言

 結局実家には帰らず、同僚の北代さん(木南晴夏)と映画を見ていた叶。そこで偶然吉田さん(倉科カナ)と出会い、しかも彼氏らしい人も居合わせた。その現場を見られてすぐに逃げた吉田さんについて話していたが、そこに望から電話が掛かってくる。電話に出てみると、叶の元にお母ちゃんが向かっているという内容だった。

 望は叶にすぐ「お母ちゃんとやり過ごす作戦」を伝え、兄が予約してくれた高級料理店でご機嫌を取ろうとした。はじめは上手く行っていたように見えたが、なぜかお母ちゃんは叶が見せたことのない衣類の情報を知っていた。

 その件について追及すると、お母ちゃんは合鍵を使って勝手に侵入していたのだ。お母ちゃんは叶が大事にしているフィギュアまで持ち出し、挙句の果てに公共の場で糾弾するだけでなく、腕をもいでしまう。その行動に叶の怒りは頂点に達し、親子の縁を切ると宣言すると共に頬を叩いていたのだったー。

■大きな反響を呼んだ6話のラスト、次回で最終回

 前回までの楽しい雰囲気とは打って変わり、大人でもオタクをしている叶の現実と対立を浮き彫りにした第6話。お母ちゃん演じる松下由樹と叶役の小芝風花の緊迫した空気は本物で、抑圧された子供と過干渉する親の対立関係がピリピリと伝わってくるほどだった。

 また、ラストの叶の絶縁宣言にはSNSでも大きな反響があり、ラストに向かってファンを増やながら盛り上がりを見せる「トクサツガガガ」。自分の好きなものに素直でいいという姿勢を貫いてきた本作だが、どのようなラストを見せてくれるのか楽しみである。

 連続ドラマ「トクサツガガガ」の最終回は、3月1日22時よりNHK総合にて放送予定。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事