春だからこそ考えたい 子どもの豊かな心を育む、企業のCSR活動

2019年2月23日 16:12

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記事提供元:エコノミックニュース

山田養蜂場では、2013年から「ミツバチの一枚画コンクール」を開催している。(2018年ど小学校低学年の部 大賞作品)

山田養蜂場では、2013年から「ミツバチの一枚画コンクール」を開催している。(2018年ど小学校低学年の部 大賞作品)[写真拡大]

 春が近づくと、入学や進学、就職など、新しい門出を祝うムードが高まってくるが、それはすべての人にとって明るい季節とは限らない。なぜなら、例年3月から5月は、一年の内で最も自殺者が増える時期でもあるからだ。警察庁の統計によると2017年度の日本人の自殺者は21,681人にものぼる。しかも、その内の488人が19歳以下の未成年。時折、マスコミに取り上げられる悲しいニュースはそのごく一部に過ぎない。

 命の重さに年齢は関係ない……とはいえ、10代でその最悪の選択を選ばざるを得なかったことは非常に残念だ。家族の悲しみはもちろんのこと、その子がこの先、数十年にわたって歩んだであろう豊かな人生と才能の可能性を考えると、日本の社会にとっても大きな損失といえるだろう。

 子どもが自殺に至ってしまう原因はさまざまだ。しかし、時期が新学期などはじまりの季節に多いことから、やはり学校でのいじめ問題など、クラスメイトとの人間関係が大きなポイントであることは間違いないだろう。でも、これを解決することはなかなか難しい。いじめをなくすことは理想ではあるものの、実際問題として啓発するだけでは根絶することは不可能に近い。その証拠に、大人の社会にもいじめは横行している。

 そこで近年、感情や情緒を育み、心を豊かにする情操教育の大切さが見直されている。

 学校や家庭内だけでなく、企業の社会貢献活動などでも、幼児期・児童期の情操教育を目的としたものが増えており、その内容もさまざまだ。

 例えば、ミツバチ産品の製造・販売を行う山田養蜂場では、2013年から「ミツバチの一枚画コンクール」を開催しており、第7回目を迎える今年も、3月8日から7月16日まで募集を行っている。「社会性の生き物」といわれるミツバチがテーマで、その絵を描くことを通して、「自然環境」「社会性」「生命」の大切さなどについて考える機会を設ける目的で開催されているもの。また、同社では本コンクールの応募作品1点につき苗木を1本植樹する活動も行っており、より社会や自然との関りを感じられる企画となっている。

 明治安田生命では2012年度から、子どもの健全育成に向けた活動「子どもの明日 応援プロジェクト」を開始。音楽を通じた情操教育「ふれあいコンサート」や「未来を奏でる教室」などの活動を行っている。

 また、三重県で園芸植物の生産・卸販売などを行う赤塚グループでは年に一度、同社が保全維持に取り組んでいる里山「レッドヒルヒーサーの森」に地域の親子を招き、自由に散策しながら絵を描いてもらう「親子写生大会」を開催。親子の絆を育むとともに自然と対話し感性を養う機会を提供している。

 自然と触れ合うこと、芸術に心を向けることは、子どもたちの豊かで強い心を育み、きっと他人を思いやる気持ち、命を大切にする意識を育てることだろう。子どもを持つ親はとくに、こういった活動に積極的に参加してみてはいかがだろうか。(編集担当:石井絢子)

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