関連記事
日産ゴーン逮捕後、初決算(2) 数値目標の決め方に問題あり 品質管理の本題を対策すること
(c) 123rf[写真拡大]
■数値目標の決め方に問題あり
組織運営の在り方として、管理者がそれぞれの担当部署に「目標値」を定めさせるのは当然なのだが、問題は単に「数値目標」を挙げさせ「頑張ります」と言わせるだけに終わっている場合がある。これは、ばかげた状態ではなく、よく見かける企業の状態だ。目標値は挙がっているのだが、「どうやって達成するのか?」との方法論が明示されていないのだ。その「方法論」を具体的に正確に定めなければ、「頑張ります宣言」だけとなってしまう。営業の現場では「5%」程度の売り上げ増加の目標値が多く、その大半は、「方法が具体的技術的」に定められていない。
【前回は】日産ゴーン逮捕後、初決算(1) 純利益76.7%減 米・中市場減益「ゴーン報酬92億円」計上
東芝が、原子力事業に行き詰った後、上層部が部下に「アイディアを出せ」と迫っていたことが知られている。経営陣が具体的方策を持っていない場合に起きることだ。確かに、各専門家はそれぞれの分野での管理を任されるのだが、経営陣がそれを集約して業績に結び付ける知恵がないと、部下のアイディアも生かされない。市場分析を基に、自社の商売(ビジネスモデル)を理解できていないと、数値目標だけが先行してしまう。そうした企業では、内部が腐るように実力を落としていってしまう。スバル、日産などの品質問題の本質がそこにあるようだ。
「現状分析」から始まって、必要となっている「技術的要素」を見定め、その「方法論」を明確にして、技術開発を進めながら展開する方策の「日程計画・評価基準」まで定めた計画が必要だ。これが「売り上げ目標」などだけであると、「品質管理」を軽視して、スバル、日産のような管理状態となってしまう。一人のワンマン経営者では、すべてをバランスよく配することは困難だ。組織をどのように構築し、運用していくべきかが問題だ。
■品質管理の本題を対策すること
品質管理は「マニュアルの策定とシステム構築」で出来る、と平然と公言する専門家を自称する人間がいる。これは明確に間違いだ。人間がどれだけ精度を上げられるものかを知らないのだ。どれほどシステム構築が出来て、AIを使ったロボットに出来ても、中国のように、管理する者が独裁者であると「監視社会」となり、人権のない国が出来てしまう。企業の世界でも、テスラのイーロン・マスク氏が犯している誤りだ。
問題は人間自身にあって、この先2030~2045年にシンギュラリティ(技術的特異点)を迎えた後、「人間が幸福になれるのか?」は、この「品質管理を勘違いしている専門家」のような人間たちが支配するか否かに左右されるだろう。「勉強が足りない」のは、専門家を名乗るこうした単純で思慮の浅い人間たちなのだ。
参考記事:【シンギュラリティ(技術的特異点)の到来】人間が不要になるのか? 不労になるのか? それは人間の「幸せ」とつながるのか?(知恵の輪サイト)(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
スポンサードリンク