アルバイト人材、7割の企業で不足 業種により マイナビ調査

2019年2月13日 11:53

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現在のアルバイト人材の過不足感について(マイナビ発表資料より引用)

現在のアルバイト人材の過不足感について(マイナビ発表資料より引用)[写真拡大]

  • 人材確保のために実施した施策/今後実施したい施策(マイナビ発表資料より引用)

 マイナビは12日、「アルバイト採用活動に関する調査」を発表した。全体で7割近くの企業でアルバイト社員が不足しているとする声がある一方、人材確保の方策として「給与の増額」「シフトの緩和」などが挙げられた。

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 「アルバイト採用活動に関する調査」では、直近1年以内にアルバイト採用を行った1,323社に対して調査を実施。担当者の意識・ニーズ、具体的な施策を聴取し、業種による特徴を把握するために行われた。

 アルバイト人材の過不足感を尋ねた項目では、全体の7割近くが「不足している」「とても不足している」と回答。業種によって過不足感は異なり、最も不足の回答が多かったのが「警備・交通誘導」の84.8%。ついで「清掃」の83.0%となった。ネット通販や引っ越し需要の増大などで人材の供給が危ぶまれる「配送・引っ越し・ドライバー」もアルバイト人材の不足感が強く、3番目に多い78.0%となった。引っ越し業界においてはアルバイトを雇用して作業に当たらせることが多いため、その不足はかねてより心配されている「引っ越し難民」の原因ともなるだろう。

 各業種の中でも最も不足感の少なかった業種が「事務・データ入力・受付・コールセンター」で、不足を感じている割合は49.0%。「充足している」「余剰が出るほど充足している」とする割合も51.0%となっており、充足感が強い結果となった。

 人材確保のために行っている施策として最も多かったのが「給与の増額」の30.6%。全国的に時間当たりの最低賃金は上昇傾向にあり、たとえば東京都では2013年の869円に対し2018年は985円。5年の間に時給100円以上上がっており、これを受けて給与の面で人員を充足しようという動きもあるだろう。また「シフトの緩和」も26.2%と続いた。労働環境を良くして人手を集めようという施策は他の回答にも表れており、「職場の設備の充実・改善」が12.4%、「複利厚生面の充実」が12.3%となった。

 また3番目に多い回答として「シニア層の積極採用」が23.0%となった。 パソナグループが行った「65歳以降の働き方に関するアンケート」(回答者数292人)によれば、「70歳くらいまで働きたい」と回答した人が33.6%、「年齢は問わず元気に働きたい」と回答した人が18.5%いた。定年後の楽隠居を好まず、外に出て働きたいと思うシニア世代が少なくないことがわかっている。こうした勤労意欲の高いシニア層を雇用できるかどうかも人手不足解消の鍵を握っていると言えるだろう。

 業種別にみると、「給与の増額」について最も回答が多かったのが「清掃」の38.0%。賃金についてまだ改善の余地が多いということだろう。「シフトの緩和」について最も回答が多かったのが「接客(ホテル・旅館)」の38.0%。24時間体制での接客が求められる業界では、なるべく従業員の負担とならないようなシフトを作らないと人員が充足されないと考えられる。「シニア層の積極採用」については「警備・交通誘導」が51.5%と高い数字となった。同業界では再雇用の人材を囲い込めるかが焦点となりそうだ。(記事:藤原大佑 ・記事一覧を見る

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