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アクティブラーニング、9割の高校が導入 半数が意欲向上効果ありと評価
リクルート進学総研が「高校教育改革に関する調査2018」の概要を発表。「アクティブラーニング型授業」導入は90%。導入高校のうち「学びに向かう姿勢・意欲が向上した」との回答が49%で半数。[写真拡大]
2012年に文部科学省の中央教育審議会がアクティブラーニングという教育手法を提唱した。これを受けて既に教育現場ではこの手法の導入に向けて様々な取り組みがなされているようだ。
2020年実施予定の学習指導要領ではアクティブラーニングという用語自体は使われていないものの「主体的・対話的な深い学び」という用語でアクティブラーニングの概念が表記されている。アクティブラーニングとは教師が生徒に対して一方的に知識を与える授業ではなく生徒達が能動的に授業に参加して行く授業形態だ。
リクルート進学総研が7日に公表した「高校教育改革に関する調査2018」(昨年10月調査)の中で全国の全日制高校4703校でのアクティブラーニング型授業の取り組み実態について調査している。
アクティブラーニング型授業の導入状況については90.4%の高校が導入済と回答している。導入状況の推移を見ると、14年には47.1%と半分程度であったものが16年には92.9%と9割台に達し、18年は90.4%と減少したものの未だ9割台を保っている。
「学校全体で導入している高校」の割合は、14年には8.7%であったものが18年には29.3%となっており、この4年で3.37倍まで増加している。その一方で「教員個人単位での取り組み」は16年の51.1%から18年の40.7%と10.4ポイントの減少となっている。
アクティブラーニング型授業を導入したことによる変化については、「学びに向かう姿勢・意欲が向上した」が49.1%と約半数で最も多く、次いで「教員の授業観が変わった」の41.5%、「主体性・多様性・協働性が向上した」37.9%と言う順になっており概ね肯定的な評価になっていると言える。
課題や改善点については、「教員の指導スキルの向上」が58.6%で最も多く、次いで「教材開発や授業準備の時間確保」が54.9%、「評価手法の確立」が46.6%の順となっている。
高校でのアクティブラーニング型授業の導入は教師が教壇に立ち生徒が座って講義を聴くという明治以来の日本の授業形態を変える大きな変革である。小学校などでは一部そのような授業形態も従来から存在していたというものの教師にとっても新しい試みであり未だ課題が多そうだ。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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