ゆるキャラ「ちぃたん☆」に須崎市が著作権侵害による活動停止を要請

2019年2月7日 20:50

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 2月6日、須崎市はゆるキャラ「ちぃたん☆」に対し、市のキャラクター「しんじょう君」への著作権侵害として活動停止を申し入れたことを発表した。

 「ちぃたん☆」は須崎市観光大使を務めていたが、SNSなどの過激な行動で市民からクレームが相次ぎ、1月17日をもって“解職”されている。

■「ちぃたん☆」起訴も視野に

 高知県須崎市は2月6日の定例記者会見で、市のご当地キャラクター「しんじょう君」の著作権を侵害しているとの理由で、ゆるキャラ「ちぃたん☆」の運営会社へ活動停止を申し入れていたことを発表した。この申し入れは1月17日に行われていたが、「ちぃたん☆」はその後も活動を続けており、須崎市は今後、訴訟も視野に対応を続けるという。

■「ちぃたん☆」と「しんじょう君」とは?

 須崎市の公式キャラクター「しんじょう君」は、2013年にお披露目されており、モデルは“ニホンカワウソ”だ。一方、問題視されている「ちぃたん☆」は、須崎市の委託動物園で飼われている“コツメカワウソ”の「ちぃたん☆」をモデルとして2017年に誕生した、東京の芸能プロダクションに所属するゆるキャラなのだ。

 “ニホンカワウソ”の「しんじょう君」と“コツメカワウソ”の「ちぃたん☆」は、それぞれ所属や成り立ちは違うのだが、両者の外見は“カワウソ”である共通点以外にも大変酷似している。実はそれもその筈、「ちぃたん☆」と「しんじょう君」は同じデザイナーが手掛けたからだ。

 市の公認キャラ「しんじょう君」は『ゆるキャラグランプリ2016』で優勝した経験を持ち、そこに目を付けた芸能プロが同じデザイナーに「ちぃたん☆」のデザインが依頼されたのだ。その後ゆるキャラ「ちぃたん☆」は須崎市非公認のまま活動を行っていたが、2018年1月に晴れて観光大使に任命され、公認キャラ「しんじょう君」と共に活動を続けていた。だが、SNSなどを中心に「ちぃたん☆」による“過激な行為”が市民から問題視され、市へ抗議の電話が殺到したため2019年1月に解任される。

 ゆるキャラ「ちぃたん☆」による市への問題はこれだけではない。“混同される”との理由から、動物園で暮らす“動物の”「ちぃたん☆」も観光大使を解任されているのだ。

 また「しんじょう君」の商標登録後に、芸能プロダクションが「ちぃたん☆」も登録申請されていたことが判明。この申請は昨年夏に特許庁が類似性を理由に(「ちぃたん☆」側が)却下されるも、米国や韓国でも申請中のため、海外での商標登録などを目指す「しんじょう君」にとっては権利侵害と共に競合の可能性も生まれてしまう。

 実はこの「ちぃたん☆」、秋葉原観光推進協会の“公認キャラクター”なのだ。さらに4月3日からアニメ化も決定しており、予告動画も公開されている。(記事:高塔・記事一覧を見る

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