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スバル・日産のディーラーに物申す(1) 「ユーザーは多様化・複雑化している」はウソ!
■ネット時代のディーラー営業マンは、「手続きマン」と化している
ある自動車ディーラーに立ち寄り、店長と話し込んでみた。自動車ディーラーに訪れる客は、「多くの人がネットで調べて車種を決めてくる」と言う。そのためか、営業マンと話しても車種は決まらない。だから、営業マンがほとんど「手続きマン」と化している。そして、お客は「FF(フロントエンジン・フロントドライブ)とFR(フロントエンジン・リアドライブ)の区別がつかない」人が増えたと言う。唯一の質問は、「燃費」であるそうだ。「エンジンが4気筒なのか6気筒なのか聞かれたのは、久しぶり」だそうだ。
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■ユーザーの知識不足の上に立つディーラー営業、生き残りの道は見えてこない
ユーザーが自動車のメカニズムに無関心となるにつれ、最近の営業マンも車を知らないで売っているようだ。「このクルマ、何馬力?」などと質問すると、「お客様相談室に電話してくれ」などと返事がくる。また、「協調ブレーキについて」とお客様相談室に質問したら、ワケの分からない回答が来た。仕方ないので「回生ブレーキと油圧ブレーキの組み合わせでしょ?」と聞くと、「何かトラブルですか?」と聞いてきた。最近、技術的内容をディーラーで質問するのはタブーのようだ。「そんなことネットで調べろ!」と叱られているように思う。ネットは便利なツールであることは確かだが、自動車と言う商品を売る営業マン、いやディーラーが車の知識を持っておらず、整備では「嘘」を言われて、ユーザーは余計な出費を強要されているのが実態のようだ。
そういえば、オイル交換を頼んだら「添加剤とセットじゃないと」と言われた。また、2年でバッテリー交換を勧められたが、5年が過ぎた現在、未だにバッテリーは快調だ。
ユーザーが無知であることを前提に組み立てられた現在のディーラーは、ほとんど営業的には「待ちの姿勢」に徹しているように見受けられる。それでも利益を出せるのは、「整備が利権化」しているためなのであろう。どこかのディーラー経営者が申していた。これで自動車市場が縮小するとは思っていないところが、「思慮足らず」と言わざるを得ないところだ。市場は縮小し続けており、ディーラー生き残りのストーリーが見えてこない。
■「ユーザーの価値観は多様化・複雑化している」はウソ!
「ユーザーの趣向性が多様化している」と言われ始めて半世紀がたつだろうか。しかし、実際には「単一化」していると感じる。つまり、「流行に流される」人が増えたのだ。情報があふれる中で、「自分らしさを求める」などと口では言っているのだが、よく見れば皆が同じ流行を追いかけている。そして、そのサイクルが短くなっているのは確かだ。情報伝達が速くなり、流行り廃れるのも速くなったのであろう。「飽きっぽい」と言えるのだろうか。
専門家と称する人物が「ニーズが多様化」などと言っていたら、その人は大した技術がないとみてよいだろう。車を「白物家電」のように買う人が増えていることは確かであるし、それが大多数であると感じて、ディーラーもその人に合った車を薦めるわけでもない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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