ついに第1話の真相が明かされる!「いだてん」第5話レビュー

2019年2月4日 21:38

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■第1話の伏線が回収された第5話

 2020年の東京オリンピックを前に、NHKの大河ドラマとして放送がスタートした「いだてん~東京オリムピック噺~」。本格的に走ることに目覚めた金栗四三の姿を4話で描き、ついに5話にて日本で初めて開催されたオリンピック予選会に挑むことになる。

【前回は】四三の能力が徐々に開花!「いだてん」4話レビュー

 第1話では嘉納治五郎視点にてオリンピック予選会の様子が描かれたが、その全貌が5話にて解き明かされる。まるで伏線をキレイに回収する物語の作りにも注目したいエピソードとなった。

■異例だらけのオリンピック予選会で韋駄天が生まれる

 オリンピック予選会のために日々鍛錬を積んできた金栗四三(中村勘九郎)。迷いながらもなんとか会場にたどり着くと、すでに短距離走の予選会は始まっていた。参加予定だった三島弥彦(生田斗真)はお家事情もあって審判をしていたが、ついに我慢できず短距離走に参加し、各レースで金賞を獲得するのだった。

 そして、ついに約40キロのマラソンレースがスタートすることになった。永井教授(杉本哲太)から絶対に無理はないようにと念を押され、各々の面々は不安を抱えながらレースが始まる。四三ははじめ最下位からスタートしたが、これは作戦だった。自分のペースで無理なく走り、徐々に順位を上げていくのだった。

 続々と欠場者が出てくる中、四三はついに3位まで浮上する。現場では嘉納治五郎(役所広司)が永田教授から責任問題を追求される中、四三は自前の足袋を脱ぎながらゴールテープを切った。非公式ながら世界記録を破った四三は、治五郎に抱いてもらうという夢を十数年越しに叶えることになるのだった。

■飽くなき挑戦心に火が付いた四三

 予選会が終わるも、治五郎たちは四三がどのようにして世界記録よりも22分縮めたのか考えあぐねていた。そこに居合わせた女性記者の本庄(山本美月)もレース中の様子を伝えるが、どうしてもその謎は解けなかった。だが、四三含めた徒歩部たちは彼の偉業に酔いしれ、オリンピックへの期待も高まっていく。

 しかし、当の本人である四三は違った。疲れ切ったはずの彼はその夜から、次のレースへの課題をノートへ記録すると共に分析を始めたのだ。その中で浮かび上がった最大の課題が、レース中に破れた足袋だった。

 次の日、さっそく足袋屋へ向かい辛作(ピエール瀧)と会い、ボロボロになった足袋を見せながら課題を言い出す。そのことによって辛作の逆鱗に触れ、四三は逃げ出すように店を後にするのだった。

■ついにオリンピックへ進み始める四三たち

 四三のオリンピック予選会1位により、大きな変化が生まれてきた第5話。彼や弥彦のニュースが日本を駆け巡ることでその周りの人たちも大きく変化が起こり始めた。特に、本編の語り役を務める美濃部(森山未來)は師匠への弟子入りを果たし、落語家への道を歩み始める。

 また、三島家では弥彦の功績をまったく評価されないことに女中のシマ(杉咲花)が怒り、さらに熊本で暮らすスヤ(綾瀬はるか)も四三への想いを募らせる。2人のオリンピック代表が生まれたことで、その周りの人間に生まれた感情も表現されており、非常に見ていて飽きない作品であると改めて思わされる。

 「いだてん~東京オリムピック噺~」は毎週日曜20:00からNHKにて放送中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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