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毛顎動物の系統樹上の位置づけを解明、沖縄科技大の研究
毛顎動物(ヤムシ)。(画像:沖縄科学技術大学院大学発表資料より)[写真拡大]
沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、毛顎動物(Chaetognath)、またはヤムシと呼ばれる動物性プランクトンの、これまで未解明だった系統樹上の位置づけを明らかにしたと発表した。
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ヤムシは海洋に生息する肉食性のプランクトンの一種である。ほとんどの一般の人にはなじみのない存在であるが、200種ほどが存在し(といっても種ごとの差はあまりない)、世界中の海に分布している。
外見上の特徴は、単純に説明すれば、小さいが槍に似ている。大きさは1ミリメートルほどのものから、最大で12センチメートルほどのものまでいる。主に小型の甲殻類などを飲み込んで食べる。
カンブリア紀には発生していたとみられる古い生物種であるが、進化の樹形上においてどのような位置付けを持つのか、これまでよく分かっておらず、多くの研究者を悩ませてきた。なぜならば、ヤムシが異質な特長を持った存在だからではなく、その形態学上の特徴などは他に似たような生き物が数多く存在しているためである。
通常、類縁関係を調べる際には、初期発生に注目して研究が行われることが多い。初期発生が似ている生物同士は近い関係にある場合が多いからである。だがヤムシは、初期発生パターンがよく分からず、2つの主な異なる動物群それぞれに似ていた。それ故に、ヤムシがどちらの類縁種であるか特定できなかったのである。
今回の研究では、10種類ほどのヤムシの遺伝子を解析し、その位置付けについて改めて比較が行われた。結果としては、ヤムシは前口動物スーパークレードの中に位置づけられ、その中でさらに輪形動物や顎口動物、微顎動物といった微小動物を含むサブグループに属することが示されたという。
なお研究の詳細は、学術誌 Current Biology(カレント・バイオロジー)電子版に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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