Maxim、業界初のモバイル機器用バイオセンサーモジュール発表 FDA認定取得可能

2019年1月12日 10:35

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PPG・ECGバイオセンサーモジュール(写真:Maximの発表資料より)

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 Maximは9日、光電容積脈波(PPG)と心電図(ECG)の測定結果を携帯型のバッテリ駆動機器から容易に提供することが可能なバイオセンサーモジュール「MAX86150」を発表した。

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 健康意識の高まりの中、スマホなどの携帯端末に搭載可能なバイオセンサーモジュールは、日常生活における生体計測の有効な手段の一つだ。PPGとECGが測定できる上に、FDA(Food and Drug Administration:アメリカ食品医薬品局)認定取得も可能となっている。FDAは日本の厚労省にあたる公的機関であり、国内外の製造会社が医療機器を米国で販売するには、FDAに登録・認定が必須だ。

 WHO(世界保健機関)は2000年、健康寿命を提唱。「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を健康寿命という。厚労省は2018年8月、「健康日本21(第二次)」中間評価報告書を発表。2016年の男性の平均寿命は80.98歳、女性の平均寿命は87.14歳であった一方で、男性の健康寿命は72.14歳、女性の健康寿命は74.79歳だ。男性で8.84年、女性で12.35年もの期間、日常生活が制限される。

 平均寿命が延びるのに伴い健康寿命との差が広がれば、健康上の問題だけでなく、医療費や介護費の増加につながる。発表によれば、在宅のヘルスケアモニタリングによって、2017年には通院件数が35%減少。指先からの統合された心臓の健康モニタリングにより、自分の健康により注意が可能になるという。

 今回の発表は、PPGとECGのデータを同時に取得でき、かつFDA認証可能が売りだ。

●MAX86150の特長

 PPGおよびECG測定を同期させて提供、スマホなどへの実装を容易にする。また精度的には、ノイズ除去比CMRR(Common Mode Rejection Ratio)は136デシベル。

 バッテリ寿命は0.7マイクロアンペア。1.8ボルトの電源電圧と、内蔵LED用の個別の電源で動作する。モジュールとの通信は標準規格のI2Cを採用。ソフトウェアでのシャットダウンでスタンバイ電流をゼロに抑える。

●バイオセンサーモジュール(Maxim、MAX86150)のテクノロジー

 PPGおよびECG測定を同期させて提供し、FDA認証可能なことであろう。発表資料では触れていないが、FDA認証のレベルやその認証範囲は、スマホ等への実装実績で判明していくであろう。(記事:小池豊・記事一覧を見る

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