ハセットCEA委員長の発言の効力は長続きしない可能性

2018年12月27日 15:00

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記事提供元:フィスコ


*15:00JST ハセットCEA委員長の発言の効力は長続きしない可能性
 米経済諮問委員会(CEA)のケビン・ハセット委員長は26日、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が解任されることはないと述べた。市場関係者の間では「FRB議長解任に関する法的な手続きを考慮すると大統領権限で解任することは簡単ではないはず」との声が聞かれていた。ハセット委員長はトランプ米大統領がFRBを批判していることで米国株式相場が極めて不安定な状態になっていることに対応したとみられる。

 ハセット氏がパウエル議長の職が安定しているかとの記者の質問に対して「もちろん、100%だ」と答えたことは市場に安心感を与えたことは否定できない。26日のNY株式市場でダウ平均など主要3指数は前日比で5%前後も強含んだほか、米10年債利回りは2.73%台から2.81%台まで急激に水準を切り上げ、ドルを111円台に押し上げた。

 それを背景に日本株も大きく持ち直すとみられ、円売りは継続し、目先的にドル・円は主に111円台で推移するとみられる。ただし、NYダウは今月に入り約3000ドルも下げていたことを考えれば、ハセット委員長の発言を勘案しても米株式市場が不安定な状況にあることは否めない。《FA》

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