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ゴールドアイピーの特許審査シュミレーションシステムが日本特許に対応
「IP Samurai」のイメージ。[写真拡大]
ゴールドアイピー(東京都千代田区)は25日、人工知能を搭載した特許審査シュミレーションシステム「IP Samurai」の日本特許対応版(β版)を販売開始した。特許申請の事前調査に要する時間とコストの削減が期待される。
特許の申請には事前調査が欠かせない。せっかく新たな技術開発や発明を行っても、調査の結果、先行技術が存在すれば権利取得の可能性はなくなり、場合によっては他人の権利を侵害することもあり得る。しかし、事前調査には時間とコストがかかり、企業にとっては負担となっている。
「IP Samurai」は、アイデアやクレーム(請求項)などの発明内容をテキストボックスに入力するだけで、特許分類の付与から先行技術調査、発明の内容理解・認定、特許登録可能性のランク付けまでを行う、世界唯一の特許判定シミュレーションシステム。特許公報で公開されている膨大な文章を、人工知能を使って解析することにより、申請内容が先行技術に対してどのような点で優位性を持っているのかが判別できる。米国特許対応版(α版)は、すでに2018年4月より販売が開始されており、トヨタ自動車のグループ企業であるトヨタテクニカルディベロップメント(TTDC)をはじめ9社が採用している。また、一部の機能は特許庁の知的財産インテリジェンスサービス内において無償で利用可能だ。
漢字仮名交じり文を使用し多様な文脈を持つ日本語の文章解析は、英語での文章解析よりも難易度が高く、今回の日本特許対応版は米国特許対応版よりも高い技術が要求されたという。日本特許対応版の完成により日本語の文章を検索するデータベースの構築が実現し、中国語やアラビア語などの他言語に対しても「IP Samurai」のシステムを応用できる可能性が出てきた。ゴールドアイピーの白坂一代社長は、来年に向け中国特許版の開発を進めていることを明かしている。(記事:Kei_T・記事一覧を見る)
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