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関空、「台風21号」による被害検証 第三者委員会が最終報告
新関西国際空港(関空)は11日、『台風21号越波等検証委員会―海象状況と浸水状況の再現―』の最終報告を公表した。
同委員会は9月28日、9月に上陸した台風21号による被害を十分検証し、今後の防災計画を策定する目的で立ち上げられた第三者委員会だ。海洋気象や災害に詳しい京都大学防災研究所の平石哲也・森信人両教授ら、5人の委員で構成されている。
同報告書は、台風21号の風、降雨状況、潮位、波浪状況、波浪推算、台風接近時の護岸の高さ、浸水量の推算、浸水の要因、浸水状況の再現、関西空港での現象についてそれぞれイラスト入りで詳しく説明している。
被害の主原因は、沖合で推計5.2メートルの高さの高波が関空第1期島の大半に浸水したことによるもので、その浸水量は230~270万立方メートル(京セラドーム大阪の約2杯分)であったとしている。地盤沈下で低くなっていた東側護岸から流入したもの見られている。
関空では、50年に1度の高波にも耐えられるよう護岸を高くしていたとのことであるが、今回の台風ではこれを超えてしまったことになる。委員長を務めた平石教授は、「これまでにないような非常に大きな波」に襲われたとして、今後は、「様々な工法を検討して」対策を進めなければならないと述べている。今回の最終報告書の内容に基づき、関空では13日に、護岸改修などを含む今後の防災対策を発表するとしている。
また、関空では10日、2018年中間連結決算(4~9月期)において、台風21号被害により純利益が前年同期比23%減であったことを発表した。特別損失35億円を計上し、2016年4月1日の民営化以来初めての減益となった。台風による今中間期の減収・損失額は99億円(台風による損失額全てを含むものではない)となったことも公表した。
最近の空港の運営状況についての発表によれば、台風の被害による旅客離れなども懸念されたが、国際線旅客の発着回数は10月として過去最高を記録したとのことである。
このように、災害を乗り越えて運状況が回復傾向にあることは大いに喜ばしいことではある。反面、今回の台風による被害を教訓にして、顧客の安心と安全のために、いかなる災害にも耐え得る海上空港作りを望むものである。(記事:kan1713・記事一覧を見る)
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