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ラクトフェリンがヒトノロウイルス感染を抑制する仕組みを明らかに、森永乳業など
ヒト細胞内でのヒトノロウイルス複製へのラクトフェリンの影響(森永乳業表資料より)[写真拡大]
森永乳業は、人の細胞に対するヒトノロウイルスの感染を、ラクトフェリンが抑制することを細胞培養実験で明らかにした。この研究は、米国のミシガン大学との共同研究として実施された。
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冬季になると、ヒトノロウイルスが原因で、腹痛や嘔吐、下痢などの症状を伴う感染性胃腸炎がまん延することがよく起きる。これまでの臨床研究で、ラクトフェリンを含んだ食品(ラクトフェリン含有量100mg)の摂取が多い人ほどヒトノロウイルス胃腸炎に掛かりにくいことや、ラクトフェリンを1日200~600mg摂取すると感染性胃腸炎の発症が抑えられ、さらに下痢も軽くてすむことなどが報告されているものの、そのメカニズムは不明だった。これは、ヒト細胞へのヒトノロウイルス感染を細胞レベルで観察することが難しいためだった。
ラクトフェリンは、哺乳類のミルクや唾液に含まれるタンパク質で、特に初乳に多く含まれており、赤ちゃんを種々の感染から守る重要な物質と考えられている。
森永乳業は、ヒト細胞へのヒトノロウイルス感染を人為的に実施できるミシガン大学と共同研究することで、ラクトフェリンの効果を細胞レベルで確認した。実験は、ヒト細胞(B細胞株BJAB細胞)にヒトノロウイルス(GII.6株)単体を添加して培養した場合と、ヒトノロウイルスとラクトフェリンとを混合添加し、培養した場合とで、ヒト細胞への感染を比較した。
ヒトノロウイルスは、ヒト細胞内で増殖する時、2本鎖RNA生成を経由してRNA(遺伝子)を複製、増殖する。そこで、細胞内での2本鎖RNA生成を、蛍光標識抗体を用いたフローサイトメトリー法で計測した。その結果、ラクトフェリンがヒト細胞へのヒトノロウイルスの感染を抑制することが細胞レベルで観察された。
今回の研究成果は、第14回国際ラクトフェリン会議(2019年、ペルーにて開催)で、ミシガン大学の共同研究者より発表される予定である。
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