NTTコムウェア、ドローンとAIを活用した異常点検サービスを発表

2018年11月24日 18:54

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「KnowledgeMap 4D」の概要図。右側上の図ではドローンの位置が示され下図には異常を検出した場所での現在の画像と正常な時の画像が比較されて表示されている。(画像: エヌ・ティ・ティ・コムウェアの発表資料より)

「KnowledgeMap 4D」の概要図。右側上の図ではドローンの位置が示され下図には異常を検出した場所での現在の画像と正常な時の画像が比較されて表示されている。(画像: エヌ・ティ・ティ・コムウェアの発表資料より)[写真拡大]

 エヌ・ティ・ティ・コムウェア(NTTコムウェア)は22日、ドローンを利用してビルや原発などの社会インフラの異常を自動的に点検するシステムのサービスを、2018年度中に開始すると発表した。これはドローンの撮影する映像データを利用して自動的に行うもので、NTTコムウェアが開発してきた画像認識AI技術と知識処理技術を組み合わせたものだ。人が危険で行けないような場所でも自由に精度よく異常を点検する。

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 発表されたシステムには、ドローン・AI・MR(Mixed Reality)といった最新技術が使われている。システムはドローンの撮影する画像を認識して解析する「KnowledgeMap 4D」モジュールと、利用者がドローンの送ってくる画像を見ながら作業を行うことを支援する「KnowledgeMap xR」モジュールからなっている。これらのモジュールがドローンの利用を管理するソリューション「ドロポ」に追加される。

 「KnowledgeMap 4D」モジュールは、ドローンが対象に対して種々の方向より撮影した画像より3次元の立体モデルデータを自動作成する機能を持っている。この作成されたデータを、正常な場合と比較して異常な場所を自動的に検出するもので、ここではStructure from Motion (SFM)と呼ばれる技術が使われている。これは対象物をカメラで複数枚撮影し、画像に写っている特徴点を自動認識、対象の構造データと比較してカメラ位置を計算。さらに特徴点の現在のデータを過去のものと比較する技術である。

 「KnowledgeMap xR」とは、作業者がHMD (Head Mount Display) を装着し、コンピュータからの画像と現在ドローンから送ってくる画像を比較するMR(Mixed Reality)技術により、異常な状態の判断を行うのを支援するものだ。HMDの中では現在のカメラによる映像とコンピュータからの立体ホログラム映像が表示される。異常を検知した場所では過去の故障データをホログラムで表示し、現在のものと比較して判断することが可能である。

 NTTコムウェアは鉄塔、電線などの膨大な設備を保有し、その点検業務を行ってきたが、その経験に基づいてこのシステムの開発を進めてきた。これらのシステムは2018年度内にトライアルを開始し、2019年度にはサービスを開始する予定である。

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