世界の空港・航空会社の格付け 果たしてその実態は

2018年11月10日 17:23

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 世界の空港や航空会社の評価を行っているイギリスの「スカイトラックス社」が2017年度の空港及び航空会社の格付けを発表した。

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 スカイトラップ社は1989年に設立され、イギリスに拠点を置くサービスリサーチ会社である。同社は世界の空港や航空会社の評価・格付けを行っており、最も権威ある格付け機関として評価されている。同社は世界でおよそ300社以上の航空会社を1つ星から5つ星までの評価をしている。

 今回の格付については、全日本空輸(ANA)が2013年以来6年連続で「5つ星」を獲得し、日本航空(JAL)は2018年に初めて念願の「5つ星」を獲得した。「5つ星」にランクされる航空会社は、現在、世界で11社しかない。

 ランク付けは、スカイトラックス社のスタッフに加えて、各国を頻繁に飛び回る国際派旅客などが審査して行っているが、そのチェックポイントは、機内でのサービスや乗務員の対応だけでなく、空港における搭乗手続きや機内食の内容まで多岐にわたるという。

 11社の中から、今年の1位はシンガポール航空、2位にカタール航空、3位にはANAが選ばれている。

 日本の空港や航空会社が世界の権威ある格付け会社から高い評価を受けること自体は大変名誉なことではある。しかしながら、果たして、こうした受賞に対して単純に浮かれていて良いのだろうか。

 JALの副操縦士がロンドンにて、乗務直前に英警察に逮捕されたことは記憶に新しいところだろう。検査では、英国での基準値の10倍を超えるアルコールが検出されたという。

 ANAでも、グループ会社の機長が、乗務前夜の飲酒による体調不良で乗務できず、国内線5便に遅れが出るといった事件が続いている。

 乗客・乗員の生命を守るという重大な使命を持っているパイロットに自覚が欠けていると同時に、航空会社自体が呼気検査などを十分に行っていない点にも大いに問題があろう。

 航空法には呼気検査でのアルコールの具体的な基準値が定められていなくても、航空会社自体が自らを厳しく律する義務があるのではなかろうか。道路交通法では、運転免許証の取消に相当するような事件を起こした会社に「5つ星」ランクが相応と言えるのだろうか。

 法規範、社内規範そして社会的倫理規範を遵守するコンプライアンスの順守が求められる。(記事:kan1713・記事一覧を見る

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