スマート工場へ向けたハード・ソフトの世界市場、AIやIoT導入により拡大へ

2018年11月7日 19:34

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スマート工場を実現するハード・ソフトウェアの世界市場推移(画像: )

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 富士経済は5日、「スマート工場を実現するハード・ソフトウェア」の世界市場調査結果を発表。AIやIoTの技術革新により市場は活性化しているため、今後も大きく拡大するとしている。

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■スマート工場を実現するハード・ソフトウェア

 AIやIoTの活用による効率的な取り組みが実施され、生産ラインへの導入など実用化が進んでいることから、今後も市場は拡大するとしている。

 特に「インテリジェント生産システム」の市場は、25年には17年比2.4倍の2兆2,239億円と大幅に拡大。機械系3D CAD/CAMが堅調に拡大し、製造業向けAIシステムも大きな伸びしろがあることから市場をけん引するとしている。

 「インテリジェント製造装置」の市場も多品種少量生産への柔軟な対応や、人手不足を背景としたロボット置き換えにより拡大。「見える化ツール」では、顧客情報や売り上げをデータとして経営に役立てる「製造業向けダッシュボード」が伸長、「スマートグラス」も現場作業員をサポートするツールとして注目が高まっていることから市場をけん引するとしている。

■メイカーズ世界市場

 「クラウドファンディング、クラウドソーシング、Web受託加工・生産」の3つを対象とした「メイカーズ」の世界市場も大幅に伸長。25年には17年比8.6倍の4兆30億円としている。

 「クラウドファンディング」はテストマーケティングや先行予約販売において好調、「クラウドソーシング」は個人事業主の多い海外で拡大、「Web受託加工・生産」は多品種少量生産による小ロット生産により需要が高まっていくとしている。

 11月6日には東芝とキヤノンがスマート工場事業での連携を表明。東芝はIoTを駆使したものづくりシステム、キヤノンはカメラや画像処理ソフトと双方の得意分野を提供する。製造プロセスで集まったデータを画像処理技術を用いることで、効率化や迅速な問題解決につなげるとしている。

 パナソニックも新潟工場を中心に最先端なものづくりを推進。IoTを活用してデータを蓄積、設備稼働状況を見える化することで不良ロスの削減を大幅に実現するなど、トラブル織り込み済みという従来の生産現場の概念を変えるべく、生産計画と一致する世界を目指すとしている。各メーカーともにAI・IoTを活用したスマート工場へ注力している今、その動きには注目である。

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