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ブロッキングに反対のスウェーデンのISP、要求したElsevierもブロック対象に
Webサイトブロッキングに反対するスウェーデンのISP、Bahnhofが裁判所の事前差止命令に従ってブロッキングを実施する一方、ブロッキングを要求したElsevierのWebサイトもブロッキングの対象にしたそうだ(プレスリリース[1]、[2]、TorrentFreakの記事)。
この裁判はElsevierがBahnhofを含むスウェーデンのISP7社を相手取り、Sci-Hubなど不正に学術論文の共有を可能にするサイトのブロッキングまたは賠償金の支払いを求めたものだ。BahnhofはVPNの使用やDNSサーバーの変更で容易に迂回できるISPによるブロッキングの効果に疑問を呈しており、不正サイトではなくISPをターゲットにするElsevierの方針を批判。Elsevierによる学術論文誌購読費の高騰が論文共有サイトを生んだとも批判している。また、審理を行う特許・市場裁判所(PMD)が著作権者寄りだとも批判する。
そのため、ブロッキングを拒否しても勝てる見込みはなく、賠償金額が膨らむだけだとして事前差止命令に従う意向を示す一方で、ブロッキング画面にはElsevierやPMDへの批判を掲載し、法務大臣にブロッキング反対のメッセージを送信するためのWebフォームも用意している。さらにElsevierのWebサイトもブロッキングの対象とするほか、PMDのネットワークからbahnhof.seへのアクセスもブロックしているとのことだ。
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