ケプラー宇宙望遠鏡、9年間の運営を経て退役へ NASAが発表

2018年11月1日 08:33

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太陽系外惑星を探査するケプラー宇宙望遠鏡のイメージ図 (c) NASA/Wendy Stenzel/Daniel Rutter

太陽系外惑星を探査するケプラー宇宙望遠鏡のイメージ図 (c) NASA/Wendy Stenzel/Daniel Rutter[写真拡大]

 米航空宇宙局(NASA)は10月31日、運営するケプラー宇宙望遠鏡の退役を発表した。これまで2,600個以上もの惑星の発見に貢献したものの、望遠鏡を搭載する衛星の燃料が尽き、運営を維持できないことが原因である。

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 ケプラー宇宙望遠鏡はNASAが実施するディスカバリー計画の一環として運営を開始した。太陽系の謎の解明を目的としたディスカバリー計画は1992年に開始、望遠鏡を搭載するケプラー宇宙船が10番目のミッションとして、2009年に打ち上げられた。

 ケプラー宇宙望遠鏡の目的は、太陽系外で地球に似た惑星を探索することにある。水素やヘリウムといったガスから組成される木星型惑星、地球の約10倍の質量をもつ「スーパー・アース」、氷や水を主体とした天王星型惑星の3種類に、太陽系外惑星は分類される。地球の半分から2倍の大きさをもつ惑星、とくに「ハビタブルゾーン」と呼ばれる生命が生息可能な環境をもつ惑星の探査が期待される。

 ケプラー宇宙望遠鏡は多様な惑星の探査だけでなく、惑星の形状やサイズ、ハビタブルゾーンの有無等の探査にミッションが割り当てられた。ところが2013年にトラブルが発生、以後は太陽光圧を制御に利用するK2ミッションに切り替えられ、惑星の探索が続けられた。K2ミッションもあわせて、50万個以上もの星を探査したことになる。

 今年9月になりケプラー望遠鏡は、燃料不足のため、スリープモードに移行していた。8月には最後のミッションである「キャンペーン19」を開始、水瓶座銀河等の観測を続けた。

 今回の退役について、NASAエイムズ研究センターのジェシー・ドットソン氏は次のように語る。「ケプラーの退役により、同望遠鏡での発見が終わったわけではない。ケプラーのデータに基づき、新しい発見や将来へのミッションへの貢献が生まれると思うと興奮を抑えられない」。

 ケプラー望遠鏡からのデータは、4月に打ち上げられたトランジット系外惑星探査衛星(TESS)のデータに統合される予定だ。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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