食事のデリバリーサービス利用者が減少中、約5割が「利用しない」

2018年10月25日 11:39

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食事のデリバリーサービス利用頻度(画像: マイボイスコムの発表資料より)

食事のデリバリーサービス利用頻度(画像: マイボイスコムの発表資料より)[写真拡大]

 マイボイスコムの調査によると、食事のデリバリーサービスにおいて、ひと昔前には利用者が多かった、そば、うどん、ラーメンなどから、ピザが圧倒的に多くなっていることが分かった。ただし、食事のデリバリーサービスを利用する人自体が減ってきていることも明らかになった。

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■食事デリバリー「利用しない」が49.9%

 24日、インターネット調査サービスを提供するマイボイスコムが、「食事のデリバリーに関するアンケート調査」の結果を発表した。これは、10代から70代の男女1万509人を対象としてインターネットでアンケートを行ったもので、2016年1月に続いて6回目の調査となる。

 食事のデリバリーサービスの利用頻度については、「週に1回以上」と答えた人は0.8%、「月に2~3回程度」が1.9%、「月に1回程度」が4.1%、「2~3カ月に1回程度」が9.1%、「半年に1回程度」が10.6%、「年に1回以下」が9.8%、「数年に1回以下」が13.8%、「利用しない」が49.9%だった。

 2010年1月に実施した第3回調査では、「週に1回以上」が1.1%、「月に2~3回」が3.7%だった他、年に1回以上利用する人の合計割合が51.6%だったのに対して、今回調査では36.3%に留まっていることや、「利用しない」と答えた人が35.6%から49.9%に増えていることから、食事のデリバリーサービスの利用者が減っていることが分かる。

■電話注文が半数以上

 デリバリーサービスへの注文方法(複数回答)で最も多かったのは「電話」で56.6%。次いで、「店舗のWEBサイト・アプリなど」(32.1%)、「デリバリーサービスのWEBサイト・アプリ(出前館、楽天デリバリー)」が26.0%、「店での直接注文」(4.7%)などとなっている。

 電話での注文は50~70代で6割以上を占める一方、「店舗のWEBサイト・アプリなど」は男性の10代、20代、女性の10~50代で多く、「デリバリーサービスのWEBサイト・アプリ(出前館、楽天デリバリー)」は30代男性で比率が高めとある。

■ピザが6割以上、寿司が3割

 デリバリーの種類で最も多かったのは「ピザ」で65.1%。2位となった「寿司」が31.4%に留まっているため、「ピザ」デリバリーの利用者や頻度の多さが分かる。

 3位以下は、「ファミリーレストラン」(7.5%)、「ファミリーレストラン以外の中華料理」(7.2%)、「丼物」(7.0%)、「弁当」(5.9%)、「そば・うどん」(5.3%)、「ファーストフード」(3.3%)、「カレー」(2.8%)などとなっており、ピザと寿司の1強1中、そしてその他いろいろの格好だ。

 ひと昔前は、そばやうどん、ラーメンなどを後ろに乗せる構造(マルシン出前機)を取り付けたカブをよく見かけたが、現在は随分と少なくなった。それだけでなく、デリバリーサービス自体にも先行きに厳しいものがありそうだ。

■不満点いろいろ

 資料には回答者から寄せられた不満点を掲載している。価格、メニュー、味、時間など、いろいろな不満を掲載している中で、「LINEとの連動などをいちいちさせられて、それでいて、アプリを行き来するたびにログインさせられること」「ポイントが貯まるので使用しているが、店舗独自サイトからの注文の方が特典が多い」のように、WEBサイトの不便さについての意見もある。こうした点の改善が進めば、新たな利用者の開拓につながるかもしれない。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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