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漫画村から漫画塔?海賊版サイト「漫画村」の動向とその後
2018年4月に接続不能となり、Web上から姿を消した海賊版サイト「漫画村」だが、10月4日に「漫画村」の後継をうたった「漫画塔」が登場した。しかし同月9日には、公式Twitterで「永久閉鎖された!!!!」の言葉を残し、現在アクセス不能状態となっている。
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また「漫画村」の存在により生まれた出版社の新たな試みや、ブロッキングについての検討、被害を被った漫画家など、さまざまな実情が浮き彫りとなったようだ。
■著作権を無視し無断で漫画を公開し続けた違法サイト
2016年から“登録不要で完全無料”をうたい文句に開設された「漫画村」は、さまざまな問題を孕む違法サイトであった。
大きな問題となったのが“完全無料”の理由が、サイト上の漫画が無許可で公開されていたことだ。無許可=漫画家や出版社が持つ著作権を侵害しながら、広告収入などで利益を得ていた漫画村だが、もちろん“違法サイト”のため正規の出版元や著作者である漫画家へは利益還元はなされないのである。
この問題は2018年2月の衆院予算委員会でも取り上げられ、同月13日に日本漫画家協会が海賊サイトへの見解を発表、16日にはマンガジャパンがユーザーに対して漫画村にアクセスしないよう名指しで声明を発表。また多くの漫画家もTwitterなどを使用し、漫画村への怒りや違法性をユーザーへと訴えかけていた。ところが、漫画村は自身の公式Twitterで「漫画家さんが無料で広告してくれた」とコメントを流し、今度は“有料プラン”を提示したのだ。
出版社および多くの人々の声を受け、政府は4月13日に「インターネット上のか海賊版サイトに対する緊急対策(案)」を発表。漫画村など悪質な3サイトを接続不能とする“ブロッキング”処置を促したこともあり、同月17日には接続ができなくなった。
ところが、10月4日に問題の漫画村を引き継いだと公言する「漫画塔(まんがタワー)」が公開。漫画や雑誌、小説、写真集など、数千冊が無料で閲覧できるようになっていた。だが、こちらも同月9日に公式Twitterで“永久閉鎖された!!!!”の文章と共に、サイトが閉鎖(閲覧不能)となっている。
■漫画村による被害と合法「漫画村」
前述したよう「漫画村」では“登録無料”をうたってはいるが、サイト内をクリックすると成人サイトへの誘導がおこなわれたうえ、PCなどのウィスル感染も懸念されていた。そのうえ「漫画はお金を出して読むのではなく“タダ”で読むもの」という認識をユーザーへと植え付け、結果として書籍離れを加速化させてしまったとの見解もあるほどだ。
漫画村が出版社に与えた被害総額は約3000億円以上との推測もある。また違法性のあるサイトに対してのブロックキングの是非、日本の法が届かない国外を経由した場合に海賊版サイトに対処するための法改正など、多くの討論がおこなわれている。
海賊版である「漫画村」が閉鎖して数日後、実はネット上には“合法”無料漫画サイト「漫画村(まんがビレッジ)」が誕生。こちらはnanapi元代表が発案し開発した、「もともと無料で公開しているWeb漫画のリンク集」であるのが特徴だ。
昨今はスマホの影響で「書籍離れ」から「漫画離れ」も加速しているというが、日本の文化として海外から大きな注目を浴びた“漫画文化”を是非とも守りたいものだ。(記事:高塔・記事一覧を見る)
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