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【2019春夏パリ ハイライト2】気鋭デザイナーが打ち出す変化と強さ
2019春夏パリコレクション2日目はアフリカや中東などの影響を感じさせるエスニックや野生の持つ根源的な力強さと、ここ数シーズン続く60年代や80年代を彷彿とさせる未来的なスタイルや都会的なスタイルをミックスしたコレクションが目立った。ラグジュアリーブランドやクチュール系のまでがストリートからインスパイアされたコレクションやロゴ入りのアイテムを作る中で、変化と強さが求められているのだろうか。
アンリアレイジ(ANREALAGE)
「アンリアレイジ」は“CLEAR”をテーマに、黒と透明、テクノロジーと手仕事の境界線を無くすことに挑戦した。太陽の光に当たると黒くなり、蛍光灯などの下では透明になる「クリアブラックフォトクロミック」という素材で作られたパールやスタッズ、シャンデリアのようなパーツ、スパンコールなど5,000以上のパーツを手で縫い付けたというアイテムやヘッドピースをつけたモデルたちがジャラジャラと音を立てながら歩く。その姿は未来的でありながら、アフリカのようでもあり、オートクチュールのようにも見える。トレンチコートやミリタリーアイテムが少しずつ溶けて透明になっていくデザインは、日常の中に変化を加えたシュルレアリスムの作品のよう。また、30秒で色が消え白になるシリーズや「クリアブラックフォトクロミック」を使ったオニツカタイガーとのコラボレーションシューズなども登場した。アンリアレイジが追求してきた日本の強みであるハイテクを更に進化させながら、パリの求める装飾性や手仕事、根源的な力強さなども共存させたコレクション。
マリーン セル(MARINE SERRE)
「マリーン セル」のテーマはハードコア・クチュール。屋外でコレクションを発表した今シーズン。PVCなどを使ったフューチャリスティックなスタイルモーターサイクルからインスピレーションを得たデザインと、ブランドのアイコンとも言える三日月のようなマークを多用したボディスーツなど独自の中東的なムード。クラシックな美しいオートクチュールドレスを解体再生したようなデザインやテーラードスーツなども共存させている。
コーシェ(KOCHÉ)
モードのオリンピック、人種のるつぼともいえるパリを象徴するようなコレクションを見せたのは「コーシェ」。多様性を象徴するかのような虹をドッキングした黒のドレスや鮮やかな色とプリント満載のストリートスタイルから、イヴ・サンローランへのオマージュとでも呼べそうなピンクとオレンジなどを組み合わせたドレスや美しいスーツ、シースルードレスまでが次々に登場した。また、メタリックなヘッドピースとタトゥのボディウエアなど今シーズン多くのブランドで見られるアフリカから発想したようなデザインも発表。どれもストリートで着られるバランスに仕上げられている。
アフターホームワーク(AFTERHOMEWORK)
「アフターホームワーク」はアバンギャルドなデザインやアフリカ的なムードを都会で着るシャツやスカートの中に取り入れた。スカートやコートなどはシャーリングをデフォルメしたような大きなひもなどによって形を変え、マニッシュなチェックのシャツなどは解体再生され、アフリカなどの衣装のように身体に巻き付けられる。また、人物を描いたプリントをコラージュのように解体したドレスやブルーの色使いもアクセントになっている。
ジョルネ(JOUR/NÉ)
「ジョルネ」は夏の海のリゾートスタイルを打ち出した。砂浜でショーを見ているような透明なテントの中に登場したのは、太陽の光をそのまま着てしまったかのようなオレンジやピンクなどの鮮やかな色、グラデーションを駆使したアイテム、水着のようなブラトップとミニ。軽いリゾートスタイルを都会でも着られるバランスとシンプルな形、軽いアイテムに仕上げながら、繊細な刺しゅうなどもアクセントとしてプラスすることでエレガントなムードも強調していた。
取材・文・画像:樋口真一
※この記事はアパレルウェブより提供を受けて配信しています。
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