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アサヒグループビル棟のオブジェの正体と含む意味は
アサヒビール本社ビルとオブジェ (c) 123rf[写真拡大]
何をいまさら、と馬鹿にしないで欲しい。「聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥」というではないか。アサヒビールを傘下に持つアサヒグループホールディングスの本社に並ぶ「アサヒグループビル棟(通称スーパードライホール)」の建物の上に設置されたなんともいえぬ形のオブジェ。
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同ホールはアサヒビールの創業100周年記念事業とした建築された。当時の樋口廣太郎社長は建設に際し設計を担当したフランスの著名設計者:フィリップ・スタルク氏に「宝石のようなビルを作って欲しい」と直接依頼した。そして社内には「一切口出しはするな」と厳命したという。従いオブジェもスタルク氏の作。「フラムドール」と称されるオブジェの意味は、フランス語で「金の炎」を意味する。
「金の炎」は重さ360t、長さ44m。先端十数メートルは建物からはみ出している。ヒーターが内蔵され、冬場にツララが落ちる事態を防ぐ仕様になっている。出来上がった当初は「あれは何を模っているのか」と世間での話題になった。「オタマジャクシ」「クジラ」、そして色形から「〇〇〇」まで諸論が飛び出した。
して、その正体は。スタルク氏は「聖火台の炎」と説明した。アサヒビールの古参スタッフはこう振り返る。「周知の通り、1987年発売のアサヒスーパードライで当社の状況は大きく変わった。そんな中での100周年記念事業の一環として建設されたもの。スタルク氏はそんな当社の新世紀に向けての“燃える心の炎”をオブジェに込めてくれたと理解している。感謝している」。
そして後日談として、彼のオブジェの建設に当たりこう言い伝えられている。当時の建築技法では表現が難しく、施工業者の選定に悩まされたという。行き着いた先は造船会社の川崎重工。「いくつものパーツを溶接して巨大な船を造る技術をもってすれば、大きな炎を創り出せる」と考えた結果だ。具体的には川重マリンエンジニアリングが担当した。
いまこの界隈は浅草寺・?なオブジェビル・東京スカイツリーと観光の名所。訪日外国人はこのオブジェをなんだと捉えるのだろうか。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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