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2050年には多くの人が栄養不足か 気候変動の影響で
taraiok曰く、 二酸化炭素の増加はすでに世界に影響を与えているが、さらにもう一つ大きな問題を追加する必要があるという。それは、二酸化炭素濃度の上昇によって作物の栄養素の一部が枯渇し、何百万人もの人々の食料不足に繋がることだ。2014年に行われた小麦、米、トウモロコシ、大豆などの主要食品を対象とした実地試験では、大気中の二酸化炭素の量が増加するにつれて、食品の中から鉄分、亜鉛、タンパク質のレベルが3〜17%減少したとしている(Smithsonian.com、Slashdot)。
先進国などの場合、少量の栄養素の減少はさほど重要ではないだろう。しかし、貧困にあえぐ国では乳幼児の発達に影響を与え、子宮内の乳児に害を及ぼす可能性がある。この栄養素の減少が人間の健康に与える影響についての研究が、Nature Climate Change誌に掲載された[PDF]。この分析結果では2050年における二酸化炭素の予想上昇率は現在の約400ppmから550ppmに増加すると見込まれており、これが225種類の食品に与える影響についても調査されている。
これによると、現時点で約1億7500万人が亜鉛などが欠乏しているとされているが、2050年には約12億人ほどが亜鉛の欠乏に悩まされるという。同様にタンパク質不足の人は現在1億2200万人だが、2050年には6億2200万人にまで増加するという。妊娠可能年齢の女性および5歳未満の児童約14億人に関しては、鉄分摂取量がおよそ4%まで減少するとしている。
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