WordPress、次期エディタ「Gutenberg」に賛否両論

2018年8月16日 23:28

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward曰く、 WordPressの記事編集エディタを次のメジャーバージョンアップから新しい「Gutenberg」エディタに変更することを巡って、開発者とユーザーを二分する議論になっている。

 Gutenbergとは、これまでのエディタ「TinyMCE」を置き換える目的で、文章内のすべての要素をブロック単位(段落、画像、リストなど)として扱う未来のエディタとしてWordPressの開発チームが2年前から準備。次のメジャーリリースバージョン5.0の目玉として「新しい出版体験」と銘打ち、コアの機能として採用されることが確定している。この背景には急速に台頭するSquareSpace、Wix、Weebyといった、コーディングを知らなくても簡単にサイトが作れるサービスへの危機感があることがWordPress.comを運営するAutomattic社からも公式に語られている。

 現在はまだ開発段階でプラグイン形式で提供されているが、先月WordPress 4.9.8のリリースに伴い、WordPressの管理画面で大きなアナウンスが行われ「Gutenbergを試してみる」か「既存のエディタを使い続けるためのプラグインを入れる」か選択できるようになった。

 これをうけて一気に注目が増えたこともあり、Gutenbergオフィシャルのレビューは ★5つが229件に対し ★1つが526件と散々な状態が続いている。

 レビューの内容としては「ただ嫌い」という変化に対する拒否反応もあるが、その多くは実際にテストした上で

 既存環境で動かない 
 バグが多すぎる、まだ未完成 
 他のプラグインと互換性がない 
 後方互換性がない 
 インタフェースが洗練されてなく、直感的でない 
 なぜこんなにゴリ押しするのか?プラグインではだめなのか 
 結局Wixとかに比べたら全然機能が低い 
 しっかりしたドキュメントがなぜまだないのか 
 客にどう説明すればいいのか など、中には現場の切実な声も含まれている。

 これらのレビューに対して開発陣が返答を加えているが、回答になっていないものも目立つ。中には議論が白熱したスレッドに対し「これ以上書き込んだらロックする」としたり、いらいらした開発者による脅しのようなものも出てきている。

 はたして、今年秋と言われているメジャーバージョン5.0はこのままリリースされるのか、コミュニティと開発陣に生まれた大きな疑念や不信はどうなるのか、世界シェアNo.1のCMSが炎上中である。

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