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世界初、NTTが東京オーケストラ公演をハイレゾ音源&4Kで札幌に同時生配信
今回のライブ配信の概要。(画像: NTT)[写真拡大]
NTTは9日、東京でのオーケストラ公演を札幌でライブ配信することに成功したことを発表。これは、音質劣化のないハイレゾ音源と4K映像をリアルタイムで遠く離れた地域の会場に同時配信した、世界初の例となる。
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東京のサントリーホールで行われたのは国際教育音楽祭「パシフィック・ミュージック・フェスティバル」のオーケストラ公演。その模様はNTTが研究開発しているメディア処理技術によって、臨場感そのままに札幌のふきのとうホールまで伝送された。
ライブビューイングの反響は大きく、来場者アンケートによれば満足度の項目において「楽しめた」「まずまず楽しめた」を足した割合は98%、来年の開催希望者は99%にのぼった。
また来場理由からも、遠いコンサート会場に行かなくても楽しめるリアルタイムでのライブビューイングというイベントへの高い関心が見受けられた。最多の理由は「クラシックコンサートのライブビューイングという新たな試みに興味をもったから」で、次に「東京に行かなくても札幌で楽しめるイベントだったから」であった。
会場の大型スクリーンに映された4K映像は演奏者の表情や手先の動きが見えるほどで、臨場感ある映像を楽しめたとの意見が多かった。ハイレゾ音源については「生演奏そのまま」「生演奏に近い」を足した割合が65%と過半数を超える結果となった。ただ音質は高く評価しつつも、音量や楽器ごとのバランスが良くないという意見もあった。
なお活用されたメディア処理技術とは具体的には、デジタル化されたハイレゾ音源を一切劣化させずに圧縮および伝送し復元する技術と、4K映像をリアルタイムに圧縮および伝送する技術である。
サントリーホールに設置された47本の集音マイクと6台の4Kカメラによってそこの映像および音声はふきのとうホールに送られ、プロジェクタとハイレゾ対応スピーカから流された。
NTTは今後、より臨場感あふれるライブ体験をコンサートホールだけでなく他会場や家庭へも提供できるようなサービスの実現に向け取り組んでいくという。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る)
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