トランプ大統領支持率の上昇と左翼メディアの失敗(1)

2018年8月1日 14:55

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記事提供元:フィスコ


*14:55JST トランプ大統領支持率の上昇と左翼メディアの失敗(1)

もし、レーガン大統領が「テフロン・プレジデント(Teflonpresident、批判などで傷つかない大統領)」であるなら、トランプ大統領は「防弾大統領(bullet-proofpresident)」と言えよう。

トランプ大統領は今月16日、露のプーチン大統領と首脳会談を行った。その後、米国の一部の主流メディアは、大統領に対する猛烈な批判を展開し、大統領を「売国奴」呼ばわりした。

しかし、反トランプ陣営の予測とは裏腹に、世論調査でトランプ大統領の支持率は上昇した。

ウォールストリート・ジャーナルとNBCNewsが、15日から18日までに共同で行った世論調査では、トランプ大統領への支持率は45%に達し、6月の調査より1%上昇した。共和党支持者のトランプ大統領への支持率は88%となった。2001年の9.11事件以降の高水準となった。

もう一つの世論調査でも、トランプ大統領に対する米国民の支持の高さが示された。ハーバード大学の米国政治研究センター(CenterforAmericanPoliticalStudies)と調査会社のHarrisInsights&Analyticsも、今月24日から25日にかけて世論調査を行った。同様に、トランプ大統領への支持率が45%との結果を得た。また、米国民の共和党への支持率は40%に達し、今年の高水準となった。

この2つの民意調査は、米露首脳会談の後で行われた。左翼メディアから集中砲火を受けても、大統領への評価は全く変わることがなかった。

*米国経済の景気拡大

トランプ政権は発足して約1年半の間、さまざまな成果を成し遂げた。なかでも、経済状況が大きく改善されたことが、市民から支持を得られた最大の理由であろう。

トランプ政権は昨年から、国内企業への規制緩和、海外からの投資誘致に努めてきた。昨年の第2四半期(3~6月期)、第3四半期(7~9月期)の国内総生産(GDP)成長率が3%を上回った。また、今月27日に発表された今年第2四半期のGDP成長率は4.1%に拡大した。

経済政策のなかで、同政権は国内雇用環境の改善に力を入れた。17年1月、トランプ政権発足以降、米国内では新たに320万人以上の雇用機会が創出された。今年5月の失業率は3.8%と2000年4月以来の低水準に並んだ。

また、連邦法人税率と個人所得税率の引き下げが盛り込まれた大型減税法案の実施で、米中小企業が再投資に必要な資金を確保することが可能になったほか、中間層および中低所得者の家計負担も軽減された。

米市民の多くは、「政治の素人」でありながら実業家としての洞察力と実行力で米国経済を再起させ、国民の雇用と収入を改善したトランプ大統領を支持している。

反トランプ政権のメディアとして知られているCNNが6月末に行った世論調査では、政権の経済政策を「支持する」と回答した市民は、全体の52%を占めた。

17年1月以降の米株価の堅調さと安定感も、景気拡大に対する投資家の強い自信を反映している。

*国民生活・社会治安を改善

経済政策のほかに、トランプ政権は、米国民、特に青少年の薬物中毒などの社会問題にも取り組んでいる。

今年3月初め、大統領がホワイトハウスで開催した薬物問題の会議で、麻薬密売人を死刑に適用すると示唆し、厳しい措置を取る姿勢を示した。

米国では、処方鎮痛剤やヘロインなどに含まれるオピオイド中毒による死亡者数が増えており、いわゆる「オピオイド・クライシス」が大きな社会問題になっている。

ロイター通信によると、昨年10月下旬、トランプ大統領はオピオイド乱用に関して「国の公衆衛生における非常事態だ。米国人として、まん延を許すわけにはいかない」と述べた。報道によると、米疾病予防管理センター(CDD)の調査では、オピオイド乱用で2015年に3万3000人が亡くなった。

一方、少年時代に陸軍学校のニューヨーク・ミリタリー・アカデミーで過ごしたトランプ大統領は、大統領選挙で掲げた公約の1つ、退役軍人の医療・福祉を改善するために、6月に同関連法案「VAMISSIONAct」に署名し発効した。

大統領は、他に米国で犯罪を犯した不法移民の強制送還や、中米や米国内で勢力を拡大した大規模なギャング組織「MS-13」の取り締まり強化を通じて、米社会の治安を改善した。

*外敵に強硬姿勢を貫く

オバマ政権の当時、中東テロ組織「イスラム国(ISIS)」が、欧米各地でテロ攻撃を仕掛け、多くの市民が犠牲になった。

トランプ大統領が就任以降、ISISの撲滅を目指し、米軍主導の有志連合軍が軍事攻撃を強化した。昨年、連合軍は7月イラク国内のISIS最大拠点のモスルを解放した。また、今年1月にシリアにあるISISの本部と司令部を空爆し、多くのISIS戦闘員を殲滅(せんめつ・残らず滅ぼすこと)した。現在、一部の残党を除き、ISISの主要勢力はほぼ一網打尽された。

反トランプ政権で有名な「ワシントンポスト」は昨年8月の報道で、反イスラム過激派テロ政策に関わるブルット・マクガーク大統領特使の話を引用し、「トランプ政権の下で、打倒ISIS政策はドラマチックに加速化した」と評価した。マクガーク氏は、オバマ前政権でも反テロ対策に関わった。

また、トランプ政権はオバマ前政権の共産主義・社会国家に対する宥和政策を転換した。北朝鮮、キューバ、イラン、中国、ベネズエラなどの政府に対して、公の場で痛烈に非難し、強硬姿勢を示したほか、強力な経済制裁も実施した。現在、激しさを増している米中貿易戦はその一例だ。

トランプ大統領について、その発言から好戦的で強軍政策を積極的に展開しているとの印象を受けている人が多いが、北朝鮮問題への対応から見えるように、実際に大統領は、武力行使に慎重だ。唯一の例外は、昨年4月上旬、シリアのアサド政権が同国反政府勢力と一般市民に対して化学兵器を使用したのを受けて、米軍に対してシリアの軍施設への攻撃を命令したことだ。米軍が巡航ミサイル59発で攻撃した。アサド政権とその後ろ盾になっているロシア当局に強い衝撃を与えた。

トランプ大統領の外国悪勢力に対抗する勇気、人権や正義を擁護する姿勢に、米国民の多くが誇らしげに胸を張るようになった。

*有言実行

「Alltalks,noaction(口先だけで何もしない)」トランプ大統領がかつて政治家を批判してきた。

数十年間にわたって不動産事業に携わり、「不動産王」として成功を収めたトランプ大統領は、政治家の偽善と不誠実さを嫌っていた。実業家として、大統領は人としての着実に物事に取り込む姿勢と、約束を守る誠実さを重視してきた。

「相手と約束を交わしたら、必ずその約束を守らなければならない」とトランプ大統領は述べたことがある。

トランプ大統領は就任以降、メキシコとの国境で壁建設、減税、国内経済の振興、不法移民犯罪者の取り締まり、貿易不均衡の是正、エルサレムをイスラエルの首都に認定など、大統領選挙で揚げた公約を次々と果たした。この有言実行ぶりに、今までの政治家は及ばない。これも米国民が、大統領としての年収が1ドルしかないトランプ氏を支持する理由であろう。

(つづく)

(時事評論家・唐浩、翻訳編集・張哲)

【ニュース提供・大紀元】《US》

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