Tor関連の非営利財団メンバー宅、ドイツ警察が一斉捜査

2018年7月11日 20:36

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward曰く、 匿名でのインターネット利用や匿名ネットワークへの接続を可能にするツール「Tor」に関連する非営利団体Zwiebelfreundeに対し、ドイツ警察が6月20日早朝、同団体の複数の幹部の自宅を一斉に捜索したという。ドイツではプライバシー保護の目的で設立された組織に警察が介入する事例が相次いでおり、今回もその一例だという(CNET JapanGIGAZINEBleeping ComputerSlashdot)。

 この捜査のきっかけはTorではなく、ドイツの左翼系団体の抗議活動だという。警察はこの活動について暴力行為に繋がるとし、またこの団体とZwiebelfreundeに関連性があるとして強制捜査を行ったそうだ。しかし今回捜索対象となった1人であるMoritz Bartl氏にはこういった関連性はないと主張している。

 Zwiebelfreundeは、匿名ネットワーク「Tor」を広帯域で利用できるサービスを提供しているグループ「Torservers.net」の傘下にあった。また、プライバシー重視のメールサービス「Riseup」への寄付も取り扱っている。この寄付金は、Torの出口ノードの運営やソフトウェア開発に利用されているが、メールインフラには利用されていないという。

 この捜査の結果、幹部らには一時「暗殺計画の容疑者」として扱われたほか、私的な物を含めた多数のデジタル機器が押収されたという。そのほか、プロジェクトに関連する人物の個人情報なども押収されたそうだ。

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