iOS 12、米国での緊急通報発信時に位置情報を通報先に通知する機能搭載

2018年6月22日 20:21

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記事提供元:スラド

headless曰く、 Appleは18日、米国でiPhoneから緊急通報電話番号(911)への発信時、発信者位置情報を911センターに通知する機能をiOS 12に搭載すると発表した(プレスリリースVentureBeat9to5MacMac Rumors)。

 現在、911通報のおよそ80%がモバイルデバイスから発信されているが、有線電話時代の古いシステムでは正確に発信場所を把握するのが困難だという。AppleはAndroidが先行していたAML(Advance Mobile Location)にiOS 11.3で対応し、欧州などで通報センターへの位置情報提供が可能となっているが、米国ではAMLが導入されていない。

 iOS 12では、業界標準のプロトコルに依存する911センターの既存のソフトウェアに緊急通報技術企業RapidSOSのシステムを統合することで、iPhoneの位置情報を迅速かつ安全に911センターに通知するという。位置情報はAppleが2015年に導入したHELO(Hybridized Emergency Location)によるもので、基地局やGPS、Wi-Fiアクセスポイントなどの情報から発信者の場所を予測する。

 米連邦通信委員会(FCC)は2021年までに、少なくとも発信の80%について50m以内の誤差で発信者の場所を特定できるようキャリアに求めている。Appleによれば、FCCの要件よりも高い精度での位置情報取得を数年後ではなく、今年実現できるとのこと。911センターが発信者の位置を正確に把握できるようになることで、より多くの生命や財産が救えるようになると期待されている。

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