アジア向けを中心に日本のクルーズ人口が初の30万人超え 国交省調査

2018年6月13日 11:53

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 国土交通省の調査によると、2017年における日本のクルーズ人口が過去最高の31万5,300人となるとともに、日韓定期航路を利用する外国人数が急増していることが分かった。

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■2年連続で過去最高を更新

 12日、国土交通省が2017年の日本におけるクルーズ等の動向調査結果を発表した。これは、クルーズ等の動向を把握するために、クルーズ船会社、旅客船事業者、船舶代理店、旅行会社の他、全国の港湾管理者などを対象として調査・集計を行っているもの。

 2017年における日本人のクルーズ人口は31万5,300人で、過去最高だった2016年の24万8,100人から27.1%増加して、過去最高を更新するとともに初めての30万人超えとなった。

 ここ30年の推移を振り返ると、1995年の22万5,000人のように90年代半ばには20万人を超えていたが、99年には16万9,300人まで減少。2000年(21万5,900人)、01年(20万100人)には、またも20万人超えとなっていたものの、04年には14万人にまで急減。その後は増加傾向となり、2012年に21万6,700人と20万人を超えると、翌13年には23万3,800人と過去最高を更新。14年(23万1,300人)、15年(22万800人)と2年連続でやや減少したものの、16年に続いて17年にも過去最高を更新した。

■アジアクルーズが約2.3倍に増加

 この内、外航クルーズは19万6,800人で、過去最高だった2016年の14万4,200人から27.5%増加し、クルーズ人口同様に過去最高を更新した。外航クルーズの中では、日本の船社運航クルーズ船の乗客数は9,300人と、1990年代には4万人を超えたこともあったが、その後は減少傾向が続き、17年は初めて1万人を割り込んでいる。一方、外国の船社運航クルーズ船の乗客数は18万7,500人と、1990年頃の3万人台から大きく利用者数を増やしている。

 目的地や海域で最も多いのはアジアの11万2,200人、次いでヨーロッパの北欧やバルト海(3万100人)、地中海(2万4,000人)、カリブ海(6,500人)、オセアニア・ミクロネシア(5,500人)などで、その他にリバークルーズ(7,800人)、世界一周(1,500人)などもある。その中でも、アジアは16年の4万9,500人から約2.3倍に増えており、17年にクルーズ人口が急増した大きな原因となっている。

 宿泊数で最も多いのは5~7泊の8万7,800人、以下、8~13泊(4万6,200人)、1泊(2万7,500人)、3~4泊(2万7,300人)、14泊以上(5,700人)、2泊(2,300人)となっている。

■国内クルーズは増えるも90年代に及ばず

 また、国内クルーズは11万8,500人(同+26.5%)で、2013年(10万100人)から4年ぶりに10万人超えとなった。ただし過去には、1994年の13万4,200人、翌95年の14万5,500人など、1990年代には毎年10万人超えの時代があったため、過去最高の更新とはなっていない。

 宿泊数で最も多いのは2泊の4万1,100人、以下1泊(3万1,200人)、3~4泊(3万700人)、5~7泊(1万1,300人)、8~10泊(3,300人)、11泊以上(800人)となっている。

■日韓定期航路の利用者は91%が韓国人

 日本発着の外航旅客定期航路の乗客数は143万9,100人で、2016年から16.5%の増加。ここ3年連続で増加しているものの、08年の150万8,400人、12年の130万2,200人などもあり、国内クルーズと同じく過去最高を更新するには至っていない。航路の中で大半を占めるのは韓国航路で142万9,400人、中国航路は7,200人、ロシア航路は2,500人となっている。

 ただし、いずれの航路でも日本人の利用者数は大きく減少している。韓国向けの修学旅行生の減少が報じられたように、10年に40万2,100人だった韓国航路の日本人利用者数は、17年には12万2,000人と3分の1以下になった。同様に、中国航路では07年の1万3,200人から17年には1,500人に、ロシア航路では07年の2,000から17年には700人に減少している。

 その分増えているのは外国籍の利用者数で、14年に韓国航路を利用した外国人数は82万5,500人だったが、3年連続で増加し、17年には130万7,400人となった。日韓主要定期航路では、韓国人が91%を占めているという。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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