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住友電工、カンボジアで高圧地中送電ケーブルを受注
住友電気工業は、カンボジアで高圧地中送電ケーブルを受注した。ケーブルは115kV CVTケーブルと呼ばれるもの。同社とトーエネック社、並びにタイのSiemens Ltd.Thailandの3社で、変電所新増設、送電線・配電線の敷設、系統安定化装置の導入などを行う。事業には円借款(ODA)が実施され、事業総額は約64億8,000万円。
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カンボジアは東南アジア、インドシナ半島南部のASEAN加盟国である。人口は約1,500万人。現在の王制は長く続いた内戦の果て、1993年に成立した。国土を南北に貫く大河メコン川沿いの平原地帯に人口の3割が集中し、プノンペンもそのほとりにある。
今回の事業は「プノンペン首都圏送配電網拡張整備事業」という。プノンペンはカンボジアの首都であり、経済・社会の中心地であって、電力総需要は同国の約7割を占めている。しかし、送変電・配電設備の容量の限界や系統制御システムの整備の問題から、停電が頻発し、復旧にも長時間を要する状況にあるという。
そうした背景のもと、対策のため「プノンペン首都圏送配電網拡張整備事業」が行われることとなった。
住友電工は変電所間を結ぶ亘長約15km(ケーブル長約20km)の高圧地中送電ケーブル(115kV CVTケーブル)を納入予定である。CVTケーブルというのはCVケーブルという単心ケーブルを3本よりあわせたもので、単心ケーブルよりも敷設回数を減らすことができ、またスペースを取らないという特徴がある。
また、ケーブルをよりあわせていることで電力ケーブルに特有の熱挙動も抑えられ、敷設の工程を一部削減することもできる。115kvの高圧CVTケーブルを製造できる企業は少なく、同社の長年の安定した実績が評価されて、今回受注に至ったものであるという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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