渦中の真ん中にいるのはやはり吉之助!?「西郷どん」22話レビュー

2018年6月12日 11:21

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■吉之助と弟とのやりとりが描かれた22話

 NHKの大河ドラマ「西郷どん」の第22話が6月10日に放送された。大島で出会ったとぅま(二階堂ふみ)との出会いによりよみがえった吉之助(鈴木亮平)が、ついに薩摩へ帰還することになる。すでに幕府体制は限界まで来ており、いよいよ明治時代へのカウントダウンが始まる中、再び吉之助に危機が忍び寄る。

【前回は】二階堂ふみの圧倒的演技力に敬服!「西郷どん」21話レビュー

■帰還後の吉之助、さっそく騒動を起こす

 大久保一蔵(瑛太)の尽力もあり、ついに薩摩へ帰還することとなった吉之助(鈴木亮平)。しかし、そのまま同じ名前を使う訳にもいかず、吉之助は「大島三右衛門」と再び名前を変えて生活することとなる。薩摩へ帰って来た三右衛門は一蔵と共に島津久光(青木崇高)と対面するも、三右衛門は彼の政策を真向から否定。いきなり険悪なムードとなり、一蔵と三右衛門も仲違いとなってしまう。

 久光と喧嘩して帰って来たことはすぐに薩摩藩の志士たちの耳に入り、精忠組の1人である有馬(増田修一郎)はさっそく三右衛門を尊王攘夷派に誘おうとする。しかし、三右衛門はこの派閥の考え方にも反対。血を流すだけでは国が変わらないと訴えかけるのだが、有馬は聞く耳を持たずにその場を去ってしまうのだった。

 そして、三右衛門の思いも虚しく久光は薩摩にて挙兵するために決起する。朝廷を味方に透けて幕府に敵対し、改革を促そうとするのは斉彬と同じ思想だった。三右衛門はこの作戦にまったく納得はしていなかったが、命令に背くことはできずに下関へ向かうことになる。

■三右衛門の弟・信吾の思い

 三右衛門が島に流されていた中、彼の弟である信吾(錦戸亮)は精忠組の一員として活動していた。すでに三右衛門と同じぐらいの存在感を放っていたが、彼は豪商の白石正一郎から30両を運び出しており、多くの討幕派の志士たちを集めていたのだった。

 久光の挙兵に合わせて信吾の行動に不穏な空気を覚えた三右衛門は下関から離れ、信吾のいる京へ急ぐ。そこで飲んだくれの信吾を発見した三右衛門は彼を投げ飛ばしてしまい、そのまま逃げられてしまう。そのまま三右衛門は探そうとするも、京に上がっていた有馬と遭遇する。まさに幕府へ襲撃しようとする有馬たちを前に、三右衛門は決死の説得を行うことになる。

 三右衛門の弟にあたる信吾が登場した22話。彼と出会うことで三右衛門がいなかった3年の空白が埋まっていくのだったが、徐々に政治へ関わることで久光の怒りを買うことになってしまう。物語ラストには切腹を命じられる三右衛門だったが、彼が辿る人生から目が離せない。

 「西郷どん」は毎週日曜日20時からNHKにて放送中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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