KDDIが水田管理にIoTを活用、「豊岡市スマート農業プロジェクト」を開始

2018年6月4日 19:20

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水田管理省力化の実証実験イメージ。(画像: KDDI)

水田管理省力化の実証実験イメージ。(画像: KDDI)[写真拡大]

●水田の水位をセンサーで監視

 KDDIは、豊岡市で行われる「コウノトリ育む農法」の省力化を目指し、IoTを活用した取り組みを開始した。この実証事業では水田にセンサーを設置、いつでも水位を確認できるようにする。センサーには通信回線を利用しておりスマートフォンとの連携が可能、直接水田を見回る必要がなくなり時間の短縮が期待できる。

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●豊岡市との協定によるプロジェクト

 この取り組みは、豊岡市とKDDIが2016年9月に締結した「地域活性化を目的とした包括協定」によるものである。これまで豊岡市ではコウノトリの過ごしやすい環境実現のため「コウノトリ育む農法」が行われてきた。しかしこの農法の一環で行われる水管理には大きな労力を要していた。大きな水田を持つ農家であれば見回りだけで半日かかってしまうほどである。そこでKDDIは「豊岡市スマート農業プロジェクト」の第一弾として今回の水田管理省力化実証事業を始めた。

●セルラーLPWAを使った水田の水位監視は国内初

 省力化を目指す取り組みだが、設置したセンサーの管理に時間がかかってしまうと意味がなくなってしまう。そこで水位センサーはセルラーLPWAの規格「LTE-M」に対応させる。これにより消費電力を抑えた無線通信を行い、電池交換の手間を少なくできる。さらにゲートウェイの設置も必要なく、広範囲における機器の設置を可能にしている。スマートフォンなどの端末では水位の確認ができるだけでなく、異常があれば自動でメール通知もしてくれる。

●今後のIoT活用に期待が高まる

 KDDIの取り組みによって、「コウノトリ育む農法」に関わる水田管理は大幅な効率化が期待される。第一次産業におけるICT導入、IoTの活用は活発に進められているが、豊岡市にしても取り組みが始まったばかりでまだまだ導入段階である。今回の実証事業によって大きな成果を得られれば、農業へのさらなるIoT普及が進むかもしれない。費用対効果など具体的な情報があれば実用化に向けて積極的になる農家も増えることだろう。

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