ファミリーマート、都内3カ所でドンキ流コンビニの実証実験

2018年5月30日 08:09

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ドンキ流コンビニの店頭イメージ(ユニー・ファミリーマートホールディングス発表資料より)

ドンキ流コンビニの店頭イメージ(ユニー・ファミリーマートホールディングス発表資料より)[写真拡大]

 ユニー・ファミリーマートホールディングスは6月から東京都内3カ所で、ディスカウントストアのドン・キホーテと連携したコンビニエンスストアの実証実験に入る。コンビニ業界は商品の均一化が進み、成長力が鈍っているだけに、ドン・キホーテの商品構成や陳列方法をファミリーマートの店舗に導入、斬新さを打ち出す。

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 実証実験が進められるのは、東京都立川市錦町の立川南通り店、目黒区目黒の大鳥神社前店、世田谷区鎌田の世田谷鎌田3丁目店。いずれも直営店で、立川と目黒が6月1日から、世田谷が6月29日からリニューアルオープンの予定。

 各店舗では4,000~5,000点の商品のうち、約2,800点をドン・キホーテから仕入れる。値付けは原則としてファミリーマート側で行うが、低価格をアピールするドン・キホーテの値付けを一部導入する。

 このほか、天井近くまで商品を積み上げるドン・キホーテの販売方法も採り入れ、商品棚を通常より高くすることでドン・キホーテの店舗に似たボリューム感を出す。看板には「Produced by ドン・キホーテ」の文字を入れ、ドン・キホーテが運営に関与していることを示す。

 ドン・キホーテは激安を訴える値付けと地域のニーズに合わせた商品構成が強みとされ、全国で販売網を拡大している。ユニー・ファミリーマートホールディングスは2017年、ドン・キホーテと資本・業務提携を結び、総合スーパー6店を共同運営しているが、6店とも提携によって売り上げが伸びており、ドン・キホーテの手法がコンビニにどのような効果を表すか、検証する。

 ファミリーマートにセブン-イレブン、ローソンを加えたコンビニ大手3社の店舗増加数は2017年度、全国約830店にとどまり、2009年度以降で最も少なかった。インターネット通販の拡大や消費の多様化に加え、商品の均一化が進んでいることから、客足が伸び悩む店舗も少なくない。

 ユニー・ファミリーマートホールディングスは総合スーパーでの成功がコンビニに行かせるかどうか確認したうえで、全国に1万7,000店以上あるファミリーマートの多店舗にも展開を検討する。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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