木村多江、圧巻の演技！「あなたには帰る家がある」6話レビュー

■家族関係が大きく揺れ動く6話

　TBS系列で放送中のドラマ「あなたには帰る家がある」の第6話が5月18日に放送された。浮気してしまった秀明とも何とか家族関係を続けようとする真弓の元に、さらに茄子田家が追い打ちをかける様子が6話の中心となった。その中でも木村多江演じる綾子の姿は身の毛がよだつ演技となっており、かなり見どころの多いエピソードとなった。

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■綾子が化けの皮を剥がし始める……

　茄子田太郎（ユースケ・サンタマリア）に、綾子（木村多江）と佐藤秀明（玉木宏）の浮気がばれてしまった。このことを知った真弓（中谷美紀）は秀明に報告するも、それ以上に動きを見せない太郎の様子が気になって仕方なかった。そのまま特に動きが無かったのだが、娘の麗奈（桜田ひより）が見せてきた写真に秀明と真弓は驚愕する。その写真には美味しそうなスイーツだけでなく、秀明の浮気相手である綾子の姿が写っていた。

　常識を逸した行動に激怒した真弓は、浮気発覚後から行方知らずになっていた太郎の居場所を突き止める。彼は家に帰らず思い出の浜辺に佇み、誰を恨めばいいのか悩んでいた。そんな太郎に対して「自分は問題だらけでも修正しながら家族を続ける」と告白する。その一方で秀明は綾子に会い、きっぱりと今後は会うつもりがないことを告げる。

　真弓も秀明もこれで茄子田家から解放されたかと思ったが、ある朝綾子が佐藤家の部屋に乗り込んでくる。彼女は麗奈の顔を手で包みながら「これからは私がママよ」と告白しだすと、真弓が無理矢理ひきはがして部屋から追い出そうとした。その瞬間、太郎も乗り込んできて部屋は修羅場となってしまう。

■崩壊した家族たちが出した答え

　太郎とのつかみ合いの末、全身打撲により入院を余儀なくされた秀明。突然の出来事に現実を受け入れられない麗奈はすっかり食欲も無くし、家族が崩壊してしまったことを感じる真弓。彼女は再び太郎に会って今後について話すも、どちらも答えは出ていないようだった。

　それでも太郎は何とか綾子を家に引き戻し、彼女に泣きついて「家に帰って来てくれ」と懇願する。しかし、綾子の秀明に対する執念は深く、太郎に辛辣な言葉を告げて結局は出ていってしまう。その一方でなんとか退院して家に戻った秀明は、本当に大事なものに気付いて真弓とやり直したいと告げる。しかし、真弓はどうしても秀明を許すことができず、別れたいと言い出すのだった。

　それぞれの家族に大きな変化が現れた6話。ドラマとしても大きな動きがあったが、それ以上に際立ったのが木村多江の演技だ。恋に盲目になり、あらゆるものを巻き込んででも秀明を奪おうとする姿は狂気を感じさせ、まさに彼女の真骨頂という演技だった。今後もさらなる事件が巻き起こると予想されるが、最後にはどのような結論を出すのか気になるところだ。

　「あなたには帰る家がある」はTBS系列にて毎週金曜日22時から放送。（記事：藤田竜一・記事一覧を見る）