大相撲5月場所 ニューヒーローは現れるか

2018年5月14日 21:16

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■5月場所の目玉

 稀勢の里が休場を発表した5月場所の最大の見どころは栃ノ心の大関昇進ではないだろうか。1月場所に優勝を果たし、3月場所では10勝とまずまずの結果を残した栃ノ心。大関昇進の目安は3場所33勝ではあるが2桁勝利をものにし34勝ラインまで持っていければ文句なしの大関昇進と個人的には思う。9勝止まりの場合横綱稀勢の里、大関高安が休場しているため白鵬、鶴竜のどちらかの横綱を倒すことが条件に上がってくるのではないかという予想もしている。

 初日は立ち合いが鋭い難敵松鳳山を下し、2日目も連勝したが、息のつけない対戦は続く。「格下相手に簡単に引いて負けてしまった」ということがなければ今の栃ノ心の勢いを考えれば2桁勝利は堅い。

■ベテランへの期待

 その他ではベテランの勢にも注目したい。何とか粘って前頭5枚目に踏みとどまっている。初日は正代に敗れてしまったものの今後の巻き返しに期待したい。

 嘉風、安美錦もまだまだ若手の壁になってくることを期待する。逆を言えば若手は彼らに引導を渡すぐらいの勢いでぶつかっていき、超えていってくれることを願う。幕下のベテランたちにも期待だ。元小結・常幸龍は、十両まであと一歩というところまで番付を上げてきている。本来の力を発揮し、十両とは言わず幕内まで番付を戻したら相撲ファンは大いに沸く。

 また人気力士としてバラエティ番組に出ることが多い豊ノ島にも期待したい。番付を落とし「引退」という文字が付きまとう豊ノ島だが、粘りに粘って十両に昇進してもおかしくないところまで番付を上げてきた。「若手力士には簡単に負けられない」というベテラン力士がいると相撲界全体が締まる。不祥事や横綱、大関らの休場があってもこういったベテランたちの奮起は見るものを惹きつけてくれる。

■注目の新芽は

 若手力士も負けていない。まだまだ番付が低いためあまり露出は少ないが元関脇・貴闘力の子で元横綱・大鵬の孫でもある納谷の連勝記録にも注目したい。初めて番付に載った3月場所は7戦全勝だった納谷は、初日で白星をマークし8連勝を達成。堂々とした風貌で貫録を見せつける納谷がどこまで記録を作れるか見ものだ。

 記録と言えば、忘れてはいけないのが炎鵬だ。白鵬が直々にスカウトした炎鵬は21連勝を果たした。(連勝を止めたのは上記の常幸龍)わずか6場所目で十両昇進したものの十両では力の差を痛感させられ4勝11敗と大きく負け越した。地力があるだけにまた勝ち星を積み重ね十両戻れるかどうかと言ったところも注目ポイントだ。

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