千葉大学病院とTAC、病院経営の司令塔を育てる「ちば医経塾」開講

2018年5月14日 11:58

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「ちば医経塾」のパンフレット。(画像: 発表資料より)

「ちば医経塾」のパンフレット。(画像: 発表資料より)[写真拡大]

 千葉大学医学部附属病院と、資格の学校「TAC」は、医療の特殊性を理解し経営マインド・マネジメントスキルを持つ人材を育成するため、千葉大学が実施する履修証明プログラム「ちば医経塾~病院経営スペシャリスト養成プログラム~」を今年の5月から同大学にて開講する。

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 全日本病院協会の調査によると、国内の4割の病院が赤字経営(医業・介護収益ベース。助成金や利息等を除く)となっているとのこと。医療費や診療費は年々増加しており、今後、医療費の抑制がより一層進めば病院経営は苦しくなるばかりだ。

 今回開講される「ちば医経塾」とは、実務能力に長けた講師陣が病院経営上の最重要課題を網羅した学習内容を提供し、病院経営のスペシャリストを養成・輩出することを目的とするプログラムだ。この履修プログラムには全国各地から59名の応募があり、その中から第一期生として23名が受講する。

 病院経営の実績力を総合的に学ぶため、「特色ある実践的なプログラム」、「医療の特殊性を踏まえたマネジメントスキルの習得」、「新たなネットワーク、交流の場の提供」という独自の3つのカリキュラムを用意。

 さらに千葉大学とTACは受講生に病院経営の基礎を補完するためのオプション講座の開設や、WEBを活用した教材開発でプログラムの充実を図るという。また、TACが開講する一般的な経営概論講座なども本プログラム受講生の希望者に提供する。なお、受講生のみならず、会計・法務の専門家養成を担うTACにおいて社会人向けにオプション講座を開放することで、より多くの職種で病院経営について理解できるという。

 一般企業同様に病院経営も一筋縄ではいかない時代へ突入している。経営の改善・見直しはどの病院も必須事項だろう。今回の「ちば医経塾」の試みである病院経営のスペシャリストの育成は医療界においてまさに渡りに船となるかもしれなれい。(記事:久保圭大郎・記事一覧を見る

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