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JETROが東南アジアで「ジャパンモール」開設へ 拡大するECで進出支援
日本貿易振興機構(JETRO)が東南アジアの主要ECサイトを介して日本製品を販売する「ジャパンモール」事業を始める。エリア各国の大規模ECサイトが商品を買い取り、サイト内の「ジャパンモール」で直販する。JETROでは「こうした枠組みは、初めてだ」としている。
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最近、メーカーがいわゆる越境ECで商圏を拡大しようとする動きが増えている。だがこの仕様を活用すれば越境ECと比べ発送や運営コストが削減できる。
具体的にはシンガポールとインドネシアの有力ECに「ジャパンモール」を設置するとしている。その背景には経済産業省の「2025年にはシンガポールのEC市場の規模は現在の5倍に拡大する。インドネシアでは35倍に成長する」という試算がある。
果たして思惑通りに事は進むのか。
東南アジアのEC市場に明るい樋口裕伸氏(日本ネット経済新聞/編集局長)は、こんな見通しを示す。
「シンガポールのEC市場は最大手のラザダを先頭に、11の大規模ECモールが群雄割拠状況にある。日本企業も一連のECモールに出店する企業も少なくなかった。だが中国や韓国からの安価な商品の出現で、送料等を勘案すると単価が高くなり伸び悩む傾向を余儀なくされている。JETROはシンガポールでは「レッドマート」サイトに「ジャパンモール」を設置するとしているが、着眼点は評価できる。最大の要因は約20万人という会員数だ。ネットスーパー的な位置づけになっている。JETROでは日本製の生鮮食品や加工食品を主体に販売していく構えだが、シンガポールの平均所得水準は日本とほぼ同様。配送インフラなども整備されており期待が持てる」
インドネシア市場でも同様の指摘ができる。先に経産省の試算として「25年には市場規模は現在の35倍」と記したが、実は現状でのEC市場は小売り全体の1%程度に過ぎない。それが4兆6000億円規模に達し、東南アジアのEC市場の半分まで占めるようになるというのだ。「ジャパンモール」での侵攻は適宜な手段といえる。
JETROの乗り出しは、メーカーにとって「新興大国:東南アジア」攻めのかっこうのフォロー体制となろう。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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