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東京工業大、低温で高効率のアンモニア合成を実現する触媒を開発
開発した触媒(Ru/Ba-Ca(NH2)2)の活性構造。(画像:東京工業大学発表資料より)[写真拡大]
東京工業大学の研究グループが、300度以下の低温で、従来のルテニウム触媒と比べて100倍、現行の工業用触媒と比べても3倍以上の効率のアンモニア合成を実現する触媒の開発に成功した。口当て期には、バリウムを少量加えたカルシウムアミドに、ルテニウムのナノ粒子を固定化したものである。
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アンモニアはありふれた物質である。また悪臭があり人体には有毒である。だが、肥料、その他基礎的な化学マテリアルの原料となるため、とてつもない規模の需要と用途がある。なお、水素エネルギーキャリアにもなるため、その上にさらにまだ将来的な需要増の期待さえもがある。
太古の昔からさまざまな活用例があったが、特に肥料としての化学的合成法ハーバー・ボッシュ法が発見されてからは、「マルサスの人口論を歴史に変えた」とさえ言われるほど、人類史に大きな影響を及ぼしている。
さて、ハーバー・ボッシュ法はそうはいっても古いので今日ではより優れたアンモニア合成法が求められているわけだが、まずハーバー・ボッシュ法の場合、400度から600度という高温での処理が必要である。エネルギーコストは下げられるなら下げられるに越したことはない。そういったわけで、低温でのアンモニア合成触媒開発の需要があった。
低温といっても氷点下であるとか常温であるとかの低温ではないが、300度以下ということは、少なくとも従来の一般的な合成法よりは熱エネルギーの要求が少ないと言うことだ。
さて、今回開発された触媒は、既存の触媒の限界を大きく越えるもので、アンモニア合成の省エネルギー化を実現し得るものである。今後、この実用化に向けたさらなる研究が期待されるところである。
なお、研究の詳細は、Angewandte Chemie International Editionに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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